易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「風天・フーテン」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「風天小畜」の「初爻変」でした。
  • 「小畜」(しょうちく)は、「柔よく剛を制する道」を示しています。「柔」は力で制するようなパワーがないので、コツコツと研鑽に励み、陰徳を積み重ねる努力が求められるとき。
  • 「初爻変」ですから、焦らず地道に正道を忘れずに進んでいけば、そのうち新たな風が吹いてきます。
  • この卦象や卦爻辞から導かれる本日のテーマは、「風天・フーテン」です。
  • 『日本語俗語辞書』などから・・・「フーテン」とはもともと瘋癲と書き、精神状態が異常なこと及び、そういった人をさした。ここから1967年の夏、新宿東口に集まる長髪にラッパズボン、(妙なデザインの)サングラスといった格好をし、定職にも就かず、ブラブラしている無気力な若者集団をフーテン族と呼ぶようになる。瘋癲がカタカナ表記された「フーテン」はこうしてアメリカのヒッピーに近いイメージで使われた。
  • 多くの人々にとっては、渥美清が演じた主人公の「フーテンの寅さん」こと車寅次郎(1968年のTVドラマ「男はつらいよ」翌1969年には映画上映)のことが記憶に新しいですね。
  • この俳優・渥美清が生前、「風天」という俳号で数多くの俳句を作り、句会にも参加していたことが、彼が亡くなった(1996年)あとで、世間に広く知られることとなりました。
  • 元新聞記者・森英介氏による名句集『風天 渥美清のうた』は、今も版が重ねられているようです。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 地域講座:「なわて学」は、身近な地域をあらゆる角度から学ぶ機会を提供しています。
  • コツコツと自分なりに学び始めると、そこから興味が膨らんで、地域に対する愛着が増してくる。その結果、それまで何気なく眺めていた史跡や建物、さらには街並みや自然景観までが、何か誇らしい大切な宝物に見えてくるのです。
  • 論語」に「これを知る者はこれを好む者に如かず、これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」という言葉がありますね。学びのレベルにおいては、「単にそれを知っている者は、好きでそれを学ぶ者に及ばない。また好きで学ぶ者でも、楽しんで学ぶ者には及ばない。」という教えです。

 

〇「観る力を養う」

  • さて、今日のテーマは「風天・フーテン」です。
  • 68歳で生涯を遂げた俳優・渥美清氏は、素晴らしい俳人でもあったんですね。国民栄誉賞も受賞しています。
  • その渥美清氏が「俳号」を「風天」と名乗っていたことから、本日の易占である「風天小畜」との関わりを感じます。
  • 彼は子どもの頃にラジオで聴いた落語の語りを身につけ、チョイ役のコメディアンから療養生活を経て国民的な俳優となりました。
  • 私の推測ですが、彼は「フーテンの寅さん」を演じ続けながら周囲の人々を巻き込み、「柔よく剛を制する」人生を楽しんでいたのではないでしょうか。