易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「龍伝説」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「乾為天」の「上爻変」でした。
  • 「乾」(けん)は、隆盛を極めるとき。
  • 「上爻変」ですから「亢龍悔いあり」、地位を昇りつめて驕りや高ぶりが出てくると、後は転落の道があるのみ。自らの過ちや至らないところを省みる余裕と今日までに受けた数々の恩恵に感謝する気持ちを忘れないことですね。
  • この卦象や卦爻辞から導かれる本日のテーマは、「龍伝説」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 四條畷市南野に、僧・行基によって開基されたと伝わる「龍尾寺」があります。その寺伝には「天平年間、旱魃あって里民大いに苦しむ。行基これを憐みて山間に立ち、読経す。一天陰鬱にして雲起こり、大雨沛然となる。為に里民愁眉を開き、翌日野に出れば、龍尾の落ちて竹藪に懸かれるあり、依って行基これを収めて一庵を創建したり。」と記されています。
  • これが地域に伝わる民話の一つになっていて、行基菩薩が唱えた法華経に応えて、まだ力の足りない龍が天上に舞い上がって雲を呼び雨を降らせたところ、龍王の怒りに触れて、その龍は身体を三分割されて地上に落ちてきた。という話です。
  • 因みに、地上に龍の頭の部分が落ちたところに建立されたのが「龍光寺」、胴体のところは「龍間寺」とされていて、尾の部分に建立されたのが、四條畷にある「龍尾寺」というわけです。(なお、「龍光寺」は大東市の山手にあり、「龍間寺」は廃寺となっています。)
  • こうした雨乞いと龍にまつわる伝説は、印旛沼など他の地域にもあるようです。

 

〇「観る力を養う」

  • 易経の卦「乾為天」は、龍の一生に擬えて説かれています。今日のテーマにした「龍伝説」は、古代6世紀頃に易や暦、陰陽五行説などとともに、中国大陸から伝わったものでしょう。
  • 易経研究家・竹村亜希子氏の著作に『リーダーの易経~「兆し」を察知する力をきたえる~』があります。
  • その新書版の帯には、「龍が教える帝王学、時流を追うものは、時流とともに滅びる。時中を観よ。」と書かれてあり、易経が示唆する「時中における組織リーダーのあり方」を分かりやすく、そして深く説いています。
  • また竹村氏は、トップリーダーの退き際の大切さ、さらに退いた後は「無位の王」として、地位や名誉にこだわることなく、自由な立場で後進の育成や社会貢献に力を注ぐことも、易経が教えるリタイヤ後のあるべき生き方としています。