易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「咸臨丸」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「地沢臨」の「二爻変」でした。
  • 「臨」(りん)は、組織チーム全体に支配・保護(統治・統制)が行き渡ります。 
  • 「二爻変」は「咸臨」(かんりん)で、まさにメンバー全員が上下心を一つにして、士気高く目的に向かうときですね。
  • この卦象や卦爻辞から導かれる本日のテーマは、「咸臨丸」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 地域講座:「なわて学」で真っ先に取り上げている人物は、やはり「四條畷の合戦」で最期を遂げた小楠公・楠正行です。儒学者として熊本・肥後の藩校で教えを説いていた横井小楠は、楠正行を慕い、その号を「小楠」としています。
  • 小楠は、激動の幕末、新たな国と人づくりに力を尽くした教育者・学者として、「楠公精神」の影響力を観るべきキーパーソンの一人といえるでしょう。
  • 小楠は、その後、幕府の最高責任者の立場にあった松平春嶽に招かれて、福井藩江戸藩邸で「国是七条」などを献策しました。
  • その考え方は、幕末の志士・坂本龍馬の「船中八策」に注入され、維新政府の根本方針となる「五箇条の誓文」に結実しました。誓文の原案は、肥後藩校で小楠の薫陶を受けた由利公正によるもの。
  • 「誓文」の2つ目が『一 上下心ヲ一ニシテ盛ニ經綸ヲ行フべシ』であり、現代表記にすると「上下心を一にして、さかんに経綸を行うべし。」で、「経綸」とは、国家の秩序を整え治めることです。

 

〇「観る力を養う」

  • さて今日のテーマ「咸臨丸」は、江戸時代の幕末期、1860年日米修好通商条約の批准交換のために渡米する使節団(米艦・ポーハタン号)の護衛艦として派遣された蒸気船です。
  • このオランダ製の船は、日本人のみの操船で太平洋を初めて渡った蒸気船であり、提督である軍艦奉行・木村摂津守とその従者・福沢諭吉、そして艦長であり実質的指揮官の勝海舟など幕府派遣メンバーが乗り組み、通訳のジョン万次郎(中浜万次郎)を伴っていました。
  • 船名の「咸臨丸」は、まぎれもなく易経の「咸臨」から引いてきたもの。当時の関係者の深い思いを観じるべき二文字ですね。