易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「危機を救う人材」

〇「今日の易占から」
・ 今日の易占は「山地剥」の「上爻変」でした。
・ 「剥」(はく)は、剝(は)ぎ落とされて山が崩れるイメージで、組織崩壊の危機を示します。 
・ ただ「上爻変」なのでホッとしますね。樹の天辺の枝に実が一つ残っていて、危機を救う大人物がいますので、母なる大地のような「坤」(こん)に向かいます。
・ 本日のテーマは、「危機を救う人材」とします。

 

〇「地域を楽しむ」
・ 何回か登場している四條畷ゆかりの人物・安岡正篤氏は、東洋哲学者であり「昭和の吉田松陰」ともいわれ、1950年代以降の保守政権のリーダー、つまりその時々の厳しい局面に立つ政府の要人を、陰で支えるブレーンとしても力を尽くしました。
・ 令和の前の年号「平成」は、当時の小渕官房長官が発表しましたが、この「平成」を提案した人物が安岡氏と目されています。

 

〇「観る力を養う」
・ 今日のテーマ「危機を救う人材」から、わが国のこれまでの歴史で国家存亡の危機を救った人物の名前が、何人か浮かびます。
日本書紀の神代の時代を除くと、まず聖徳太子を思いますが、今日は、2007年から日本国籍となった中国人の哲学者・石平氏が『日本の心をつくった12人』の中で取り上げている「北条時宗」に、焦点を当ててみたいと思います。
時宗は1268年、18歳で父・北條時頼から鎌倉幕府の執権職を引き継ぎ、33歳の若さで生涯を遂げますが、その間の1274年と1281年の2回、元寇・蒙古来襲に立ち向かい、これを撃退しました。

f:id:okarina1952:20200831104712p:plain

・ 鎌倉武士の勇気と誇りを行動で示し、執権として国家と国民を護るという責務を果たした時宗の事績は、『日本外史』などを江戸末期に著した頼山陽も高く評価しています。
・ 石平氏は前掲書で、北條時頼・時宗父子が、蘭渓道隆や大休正念などの高名な禅僧を大陸から次々と招いて教えを受け、そこから修得した「禅」の悟りを、武士道精神と政治理念の中に取り入れている点を指摘しました。
鎌倉時代に形づくられた日本仏教と武士道精神は、一国が侵略される危機を救った人材・時宗の毅然たる姿勢とその事績に象徴されるような気がします。