易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「素交と利交」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「水地比」の「初爻変」でした。
  • 「比」(ひ)は、これまでの争いや意見の食い違いを越えて、互いに親しむとき。
  • 「初爻変」ですから、周囲と誠実な態度で親しく交われば、組織のパワーも徐々に高まります。 
  • 本日のテーマは、「素交と利交」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 地域ゆかりの安岡正篤氏は、政治家だけでなく多くの経営者からも師と仰がれた人物です。安岡氏から学んだこと、あるいは強く影響を受けた書物は数多く観られますが、『安岡正篤「やりたいこと」を必ずやり遂げる生き方』(寺師睦宗著)もそのうちの一冊です。
  • この中に、後漢書から引いてきた話から、「忘年の交わり」という言葉が出てきます。(他の著書にもありますが)

 

〇「観る力を養う」

  • そこで、まずテーマに掲げた「素交」とは、人間と人間との自然な付き合いであり、「利交」の方は、何らかメリットを求めて人間同士が付き合うことです。
  • 中国・漢の時代の人々は、当時の大学者・孔融(50歳頃)と20歳前後の禰衡(でいこう)の親しい交わりを観て、年齢の差を超えた心と心の通う付き合いのことを(「素交」の中でも特に)「忘年の交わり」と呼んだそうです。
  • まだコロナ禍の出口が見えない中で、この時期に年の瀬の忘年会のことまで予測できませんが、少なくとも本来の「忘年」という言葉には、年末にバカ騒ぎするようなイメージはないようです。
  • 世俗の利害を忘れ、大自然の息吹を感じ、そして裸の人間として接する、つまり「素交」の姿勢をベースにした「忘年の交わり」を通じて得られる感応、これこそが人々を動かし、そして新しい時代を築くエネルギーになるのでしょう。