〇「今日の易占から」
- 今日の易占は「沢風大過」の「四爻変」でした。
- 「大過」(たいか)は、組織内部が強者揃いで棟木が撓(たわ)むようなアンバランスな状態です。
- ただ「四爻変」ですから、泰然として誠意をもって臨めば、志を遂げることができます。
- 本日のテーマは「要の大臣」とします。
〇「地域を楽しむ」
- 地域学としての「なわて学」は、3つの学びの領域(①歴史文化 ②地勢・市勢 ③ゆかりある人物)から数々のテーマ・切り口を提供してきました。③ゆかりある人物の筆頭は、もちろん「小楠公・楠正行」です。
- 鎌倉幕府滅亡後の南北朝時代という混乱期、楠公父子の立場を推測すると、時の天皇(後醍醐~後村上)の信頼を得て重用されはしますが、ひたすら天皇親政を追い求める南朝の朝廷関係者からすれば、単なる「下級豪族」であり便利で忠実な「軍団」という扱いであったと思われます。
- そうした扱いにも耐えつつ誠心を尽くした楠公父子、その人格形成に大きな影響を与えた人物の一人に、瀧覚坊(りゅうかくぼう、又はろうかくぼう)の存在があります。
- 観心寺(河内長野市)で楠公父子に教えを説いた僧・瀧覚坊は、俗名を和田朝正(わだともまさ)といい、鎌倉幕府の侍所別当・和田義盛の曾孫とされています。
- 瀧覚坊は、当時の先端的な学問であった宋学や仏教を基本としながら、人間として、また組織のリーダーとしてのあり方を楠公父子に説き続けました。
〇「観る力を養う」
- 今日のテーマ「要の大臣」から、組織リーダーのあり方を考えます。
- 易占の6つの爻は様々な事象を表しますが、その一つに「社会的な地位や組織における立場・役割」があります。
- 例えば、一番下の初爻は平社員、二爻は係長、三爻は課長、四爻が部局長であり、中央政府なら大臣位ですね。
- 五爻はトップリーダー:社長・総理大臣、そして上爻は勇退後の会長や顧問、といった地位・立場を暗示しています。
- 中国唐代の名君といわれた太宗の時代、トップリーダーに対して耳の痛い忠告や民衆に嫌われても実施すべき政策を提案し続ける臣下として、魏徴(ぎちょう)と房玄齢(ぼうげんれい)などの人物がいます。
- 太宗は、大帝国・唐の時代に後年「貞観の治」と称されるような評価の高い政治を行いますが、常に臣下の発言を求め、その手厳しい諫言にも耳を傾けていた姿勢が、『貞観政要』の随所に記されています。
- 過日、菅政権がスタートしましたが、改革型で仕事のできる内閣として、行政組織のパワーを十分に活かす組織運営が期待されるところです。「要の大臣」となるのは、どの人物でしょうか。