易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「退いて守る」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「水山蹇」の「三爻変」でした。
  • 「蹇」(けん)は、行き悩む厳しい状況にあり、ここは退いて守る、つまり無理せずに平坦コースを選ぶ方がベターです。広く知見を求めることも必要ですね。 
  • 「三爻変」ですから、退いて守れば、悩むことなく仲間から歓迎される結果につながります。
  • 本日のテーマは「退いて守る」。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 太平記』に出てくる楠木正成の戦いぶりからピックアップしました。
  • 1331年(元弘元年/元徳3年)9月、赤坂城は急造の城であるため、長期戦は不可能と考えた楠木正成は、 同年10月21日夜に赤坂城に自ら火を放ち、幕府軍に城を奪わせます。幕府方は城の大穴に見分けのつかない焼死体を発見し、これを楠木正成とその一族と思い込み、同年11月に関東へ帰陣します。
  • 一方、正成は赤坂城の落城後、しばらく行方をくらますのですが、1332年(元弘2年/元徳4年)4月、正成は赤坂城を襲撃します。
  • 正成は幕府方の湯浅宗藤が、夜間に領地から兵糧を城に運び入れることを聞きつけて、その道中を襲って兵糧を奪い、自分の兵と人夫をその警護の兵と入れ替え、空にした俵に武器を仕込みむのです。
  • 楠木軍は難なく城内に入ると、俵から武器を取り出して鬨の声を上げ、城外の軍勢も同時に城の木戸を破ります。これにより、湯浅宗藤は一戦も交えることなく降伏し、正成は赤坂城を奪い返すわけです。
  • 正成は、「退いて守る」という点でも戦略の達人ですね。

 

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国史跡・下赤坂城址千早赤阪村

〇「観る力を養う」

  • 新渡戸稲造氏の名著『武士道』(Bushido, the Soul of Japan)は、1898年(明治31年)にアメリカで出版され、大きな反響を呼びました。
  • 新渡戸氏は、尊敬するベルギーのラブレー教授宅を訪問した際に問われたこと:「日本では宗教を教えずに、倫理や善悪の区別をどうして教えるのか?」に対する答えとして、この著書を執筆しました。
  • 今日のテーマに関連して、新渡戸氏の説く次のような「勇気」論を観ます。忍耐力も「勇気」の不可欠な要素なんですね。

「勇気の修養には進むほうの勇ばかりでなく、退いて守るほうの勇も養うように心がけなければならない。両者がそろって本当の勇気ができるのである」