易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「首尾一貫」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「雷風恒」の「二爻変」でした。
  • 「恒」(こう)は、平穏で安定した状態にあります。マンネリには注意が必要ですね。 
  • 「二爻変」ですから、首尾一貫した心構えで悔いのない人生を歩みたいものです。
  • 本日のテーマは「首尾一貫」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 当地域・四條畷ゆかりの人物、東洋哲学者の安岡正篤氏(1898年~1983年)は、生涯を人間としてのあり方の根本を説く教育者として、また政財官界要人の指南役として貢献し、無位無官を貫きました。
  • 1922年(大正11年)、東京帝国大学を卒業し文部省に入省しますが、半年で辞職して東洋哲学をさらに深めつつ、人づくりに献身していきます。

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    埼玉県嵐山町にある「安岡正篤記念館」(ホームページから)

 〇「観る力を養う」

  • 今日のテーマ「首尾一貫」から、少し心理学の世界に踏み込んでみます。
  • よく使われる言葉に「終始一貫」があり、この意味は「始めから終わりまで、態度や行動などを変えないで貫き通すこと」です。
  • 同様のことを、動物の体全体に擬えて語る場合に「首尾一貫」という表現も用います。
  • 最初から最後まで、一つの方針や態度を貫いて「首尾一貫」した生き方のできる人物は、いつも自信が漲っていて周囲からも信頼される存在になりますね。
  • 心理学の世界では、いわゆるストレスに耐える力を「レジリエンス」と捉えていますが、この「レジリエンス」を高める概念として「首尾一貫感覚」(SOC:Sense of Coherence)が出てきます。
  • この「SOC」は、1970年代にアメリカ生まれのユダヤ系医療社会学者・アーロン・アントノフスキー博士が提唱した概念です。
  • 博士は、第二次世界大戦ナチスドイツの強制収容所に入れられた人々のその後の心身の健康状態を研究しました。その結果、極限のストレスを経験しても、その後の人生で心身の健康を守り、その経験を人間としての成長の糧にしている人々の存在が判明し、その理由を「SOCの高さにある」と説きました。
  • 「首尾一貫感覚」(SOC)には、以下の3つの要素があるといわれます。(『人間にとって健康とは何か』PHP研究所刊から)
    1. 把握可能感(comprehensibility):自分の置かれている状況を一貫性のあるものとして理解し、説明や予測が可能であると見なす感覚のこと。
    2. 処理可能感(manageability):困難な状況に陥っても、それを解決し、先に進める能力が自分には備わっている、という感覚のこと
    3. 有意味感(meaningfulness):いま行っていることが、自分の人生にとって意味のあることであり、時間や労力など、一定の犠牲を払うに値するという感覚
  • 私の拙い経験から解釈すると、①納得して腑に落ちたこと ②「ダメ元」のような力みのないチャレンジ精神 そして③何となく興味が持てて自分でもやれそうな感じ という3つがあれば、「首尾一貫感覚」を持てるように思いますが、いかがでしょうか。