易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「火水未済」の「二爻変」でした。
  • 「未済」(みさい・びせい)は、諸条件が揃いつつも大きな課題があって、互いのポジションが定まらず、今後の展開が読めないときです。 
  • 「二爻変」ですから、止まるべきところに止まり自重します。
  • 本日のテーマは、「涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 当地・四條畷が位置する北河内地域には、古来、朝鮮半島からの渡来人が住み、漢字や宗教、馬など最先端の文化がもたらされました。わが国最古の正史『日本書紀』には、以下のように記されています。(口語訳文)

562年(欽明天皇23年7月の条) 「新羅は使者を派遣して調賦(みつき=税)を献上した。その使者は新羅任那を滅ぼしたと知ると、国恩(みかどのめぐみ)に背いたことを恥しく思い、あえて帰らずに留まった。それは国家(=新羅のこと)の百姓(ひゃくせい)も同じであった。今の河内国の更荒郡(さららのこおり=現在の大阪府四條畷市大東市寝屋川市の一部地域)の鸕鷀野邑(うののさと)の新羅人の先祖である。」

  • 6世紀の前半にわが国に伝えられたとされる仏教は、その後平安時代に入って弘法大師空海伝教大師最澄の活躍もあって広められ、各地に寺院が築かれます。
  • 四條畷市域にも当時からの寺院(正法寺)跡があり、また平安時代の制作と推定される仏像など、多くの仏教美術が所蔵されていることが、『四條畷市史第5巻』に写真入りで紹介されています。
  • 平安時代の制作とされるのは、上田原にある正傳寺の木彫「薬師如来立像」及び下田原にある法元寺の木彫「十一面観音立像」と「阿弥陀如来立像」の3体です。

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    法元寺所蔵の十一面観音立像(市史第5巻から)

 〇「観る力を養う」

  • 今日のテーマ「涅槃寂静」は、ウィキペディアによると、「仏教⽤語で、煩悩の炎の吹き消された悟りの世界(涅槃) は、静やかな安らぎの境地(寂静)であるということを指す。涅槃寂静三法印四法印の⼀つとして、仏教が他の教えと根本的に異なることを⽰す。」と説明されています。
  • また仏教でいう「三法印」は、3つの根本的な理念を示すものとして、1つは「諸行無常」(すべての現象は無常<不変ならざるもの>)であり、2つ目は「諸法無我」(すべてのものごと<法>は自己ならざるもの)、そして3つ目が「涅槃寂静」です。
  • 易経』の「火水未済」は、64種類ある「卦」の中でも、まさに万物が流転する普遍的な原理を前提に説いている典型的な「卦」の一つです。
  • 私の解釈では、根本的な世界観や人間観は『易経』の説くところも仏教のそれも同じではないか、ということです。