〇「今日の易占から」
- 今日の易占は「沢天夬」の「上爻変」でした。
- 「夬」(かい)は、重大な物事に決着をつけるときですが、その際の心構えが大切ですね。基本は3つ、私利私欲を排し、足元を固め、そして誠実に進めます。
- 「上爻変」は最悪です。「独善」に陥っていないか、自分自身にも基本の3点を問いかけなければ…。
- 本日のテーマは、「自利と利他」とします。
〇「地域を楽しむ」
- 当地域・四條畷ゆかりの人物:小楠公・楠正行の『特別展 しじょうなわてと楠正行』が、今月11月16日から「四條畷楠正行の会」の取組み成果を中心に開催されます。
- 正行は、父・楠木正成公の生き様とその教えを念頭に置いて、武士や豪族を蔑視する公家衆に対しても、太平な世の中の実現と他者のために生き抜く姿勢を貫いています。
- いつの時代も人間誰しも、自分の立場・利益を考慮しない、「私利私欲を排した」決断や行動を貫くのは至難のことですね。
〇「観る力を養う」
「自利とは利他をいふ」
- ここで最澄が説く「自利とは利他をいう」とは、「利他を実践すればいつかは巡り巡って自分の利益になる」という解釈ではなく、「利他の実践がそのまま自分の幸せなのだ」という考え方です。
- 「自利」とは、通例「私利私欲であり私心をもって判断すること」を意味します。しかし、私のような凡人には、そうした情念を常に100%排除することは極めて困難なことです。そんな時、最澄が説くように「何か小さなことでも誰かのために、そして少しでも人々の役に立つ行動」を実践することそのものが「自分の利=幸せである」と解釈すれば、心身の力みも少しほぐれるように思うのです。
- かつて1985年(昭和60年)に「KDD」を設立した京セラの稲盛和夫会長は、(今では5G世代を先導する「KDDI」という大事業者になっていますが)電気通信事業に進出する際、当時の経営幹部から「NTTに対抗するのは無謀なこと」として大反対を受けました。
- そのときの稲盛氏は、(その著書にも随所に出てきますが)「動機善なりや、私心なかりしか」と何回も自分に問いかけながら決断したようです。
- 稲盛氏は、1997年(平成9年)には京セラ・KDDIの会長を退き、臨済宗の円福寺において得度して僧籍を得ています。
- また2010年(平成22年)には、政府の要請で日本航空JALの再建にも無報酬で力を尽くしました。
- 現代でいえば、稲盛氏のような生き方が「自利即利他」と観られる典型的な実例のように思います。