〇「今日の易占から」
- 今日の易占は「沢地萃」の「五爻変」でした。
- 「萃」(すい)は、大地の懐で人々が集い交歓します。
- 「五爻変」ですから、注目を集めても心服させるには、まだまだ精進する必要がありますね。
- 本日のテーマは、「全集中の呼吸」とします。
〇「地域を楽しむ」
- 当地域・四條畷市で2016年(平成28年)に刊行された『四條畷市史第5巻(考古編)』は、一般に知られるような自治体が編纂する歴史書としての「市史」とは一味違うものになっています。
- 何が違うのか、その特長を以下に列挙してみました。これらが読み手の理解を助け、興味をそそるとともに想像力を大いに高めてくれるのです。
1.旧石器時代から室町・安土桃山時代までの通史が興味深く学べるように構成されています。
2.全編を通してカラー写真や地図、そして挿絵が満載されていて、読みやすく分かりやすい冊子になっています。
3.各章に楽しく読めるコラムが挿入されており、巻末には市域に所蔵されている仏教美術の逸品が紹介されています。
4.土器や大珠などの重要な発掘品は、奈良文化財研究所保有の高性能なカメラで撮影された画像が随所に掲載されています。また、四條畷市立歴史民俗資料館の前館長・佐野喜美氏によるイラストの絵も各章に上手く配図されています。
〇「観る力を養う」
- 10月16日から公開中のアニメ映画「劇場版『鬼滅(きめつ)の刃(やいば)』無限列車編」の興行収入が、23日までに259億円に達し、国内の興行収入ランキングでは、2014年公開の「アナと雪の女王」(約255億円)を抜いて歴代3位となったようです。(観客動員数は約1940万人)
- さて、このアニメ『鬼滅の刃』の主人公・竈門炭治郎が、刀の素振り、ランニング、岩を使った筋力トレーニングなど、かつて師である鱗滝(うろこだき)に課された修行メニューを、夜は座禅を組み酷使した肺を休めて静かに行うという鍛錬で体得したのが「全集中・常中の呼吸法」とされています。
- この呼吸の基本となる剣術の流派として炎・水・風・岩・雷の五系統が存在しており、剣士ら改良を加えて剣技と呼吸法がセットになった「全集中の呼吸」という形になり、現在まで受け継がれてたものであるとされます。
- 全ての始まりとなったのは炭治郎の家に代々伝えられる「ヒノカミ神楽」の基になったとされる「日の呼吸」であり、他の呼吸法は全てその派生したものであるとされるのです。
- 「常中」は、さらに地道かつ過酷な鍛練の積み重ねにより、睡眠中を含む二十四時間常に全集中の呼吸を維持し続ける身体活性化の高等技術の一つであり、炭治郎が、この呼吸法で超越生物である人喰い鬼と渡り合える程の身体能力から必殺の剣術を繰り出して、岩塊よりも硬い頸をも斬り落とせるようなパワーを発揮しています。
- また「呼吸法」に関連して、仏教の中でも密教を習得しようとする人が、その基本として修める「三密加持」といわれる「行」があります。
- 「三密加持」とは何か。まず、「三密」ですが、「身密(しんみつ)」「口密(くみつ)」「意密(いみつ)」を指しています。(新型コロナ対策のための「三密」ではありません。)
- 具体的には、本尊を現す「印(いん)」を手で結ぶことを「身密」、真言を口で唱えることを「口密」、ご本尊の姿を心(意)に思い描くことが、「意密」であるといわれます。
- この3つが完璧にできてご本尊と一体となり、かの弘法大師・空海の説く「即身成仏」が達成されること、これが「三密加持(さんみつかじ)」と呼ばれるものですが、「行」に際して「身・口・意」の三密から深い瞑想状態に入るためには、その際の「呼吸法」が極めて重要な要素になるといわれます。
- 心臓の拍動(脈拍)は、自分の意思ではなかなかコントロールできませんが、通常、海の波が打ち寄せる周期とほぼ一致するといわれる「呼吸」の方は、心身を修養していけば、より深く静かなリズムを刻めるように制御できるはずですね。