〇「今日の易占から」
- 今日の易占は「沢雷随」の「四爻変」でした。
- 「随」(ずい)は、従順な姿勢で動くとき。何に従うかが重要です。
- 「四爻変」ですから、権限を持っていても正道を見失うことなく従う必要がありますね。
- 本日のテーマは、「非理法権天、何に従うか」とします。
〇「地域を楽しむ」
- 当地域・四條畷ゆかりの楠木一族が、戦の時に掲げた「のぼり旗」(菊水旗)に『非理法権天』と書かれていたと伝えられます。
- 楠木一族ゆかりのお寺「観心寺」(河内長野市)のホームページには、「非利法権天」とし、その意味するところが説明されています。
- 今日は、次項で「非理法権天」を私なりに観じてみたいと思います。
〇「観る力を養う」
- 「ウィキペディア」によれば、江戸時代中期に伊勢貞丈が遺した『貞丈家訓』にある解釈から、「無理(非)は道理(理)に劣位し、道理は法式(法)に劣位し、法式は権威(権)に劣位し、権威は天道(天)に劣位する」、つまり「非とは道理の通らぬことを指し、理とは人々がおよそ是認する道義的規範を指し、法とは明文化された法令を指し、権とは権力者の威光を指し、天とは全てに超越する『抽象的な天』の意思を指す。非理法権天の概念は、儒教の影響を強く受けたものであるとともに、権力者が法令を定め、その定めた法令は道理に優越するというリアリズムを反映したものであった。」と説明されています。
- さらに、楠木正成が「非理法権天」の旗を掲げたとする説については、「瀧川政次郎氏の考証により江戸時代に作られた伝承であることが明らか」としています。
- のぼり旗の「非理法権天」は『太平記』の中に見られないことから、瀧川氏の説が支配的かもしれませんが、だからといって否定する根拠もありません。
- また、その表記が「利」あるいは「理」のいずれであっても、当時の楠木正成が儒教の考え方も体得した上で、「天道・天命に従うこと」を自らの「理念・究極の判断基準」として示すことが目的だったと解釈するならば、「菊水旗」に「非理法権天」を掲げることは、むしろ「ふさわしい」と考えるのです。