易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「自助の精神」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「火天大有」の「上爻変」でした。
  • 「大有」(たいゆう)は、望みが達せられるときですが、新たな陰りには留意することが大切です。 
  • 「上爻変」は、天の導きがあり順調に進みます。
  • 本日のテーマは、「自助の精神」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 当地域・四條畷市には、1903年明治36年)府立第9中学校として創立された「大阪府立四條畷高等学校」があります。
  • 明治期の大阪府が、各地域(郡)に配置する中核的な教育機関としての(旧制)中学校を、北河内地域で人口が当時5千人程度の「甲可村」(今の四條畷市)に設置した理由に、次の2つがありました。
  • 1つは、全国に誇れる「小楠公・楠正行」ゆかりの地であったこと。そして今一つは、1895年(明治28年)に浪速鉄道が開通、1897年(明治30年)には四條畷駅から枚方・長尾駅まで延長され、交通至便であったことです。
  • 現在、同校の「求める生徒像(アドミッションポリシー)」は、以下のとおり示されています。

「創立以来の教育方針として、『質実剛健』『文武両道』を旨とし、「自主・自律・自由」の校訓のもと、常に国際社会や地域のリーダーとして活躍する多くの人材を輩出してきました。授業だけでなく、部活動や学校行事を通じて、学問への探究心とともに、未来を見通す先見性や深い洞察力、他人への思いやりなどを身につけ、高い志とチャレンジ精神で自らの進路を切り拓いていく、たくましい人間力を育むことをめざしています。」

  • 同校の展示室には、今も飯盛城跡の山上に立つ「小楠公・楠正行像」のオリジナルが保管されています。(小冊子「なわて学第6号」参照)

 

〇「観る力を養う」

  • 大阪府立四條畷高等学校の校訓は「自主・自律・自由」ですが、「求める生徒像」にある「たくましい人間力」を育むには、より良い教育環境と合わせて、そこに学ぶ生徒の「自助努力」が欠かせません。そこで、今日のテーマ「自助の精神」の源流について観てみます。
  • 19世紀末、イギリスが大英帝国として、経済・軍事・経済・文化のあらゆる面で世界をリードしていた時代背景の下、スコットランド生まれの医師で著述家:サミュエル・スマイルズが、労働者階級に対して自助努力の大切さを説いた『自助論』という著書があります。
  • この本は、欧米人300人の成功談を集めた自己啓発書の草分けともいえるものであり、そこに説かれた「財産も地位もない人間でも、他人に頼らず独力で勤勉と節約によって出世できる」という考え方は、大きな反響をよび、世界各国で翻訳・出版されました。
  • 日本では『西国立志編』のタイトルで1871年明治4年)に発刊され、トヨタグループ創始者豊田佐吉氏も愛読したといわれますが、その序文にある「天は自ら助くる者を助く(Heaven helps those who help themselves)」というフレーズは、英文表現の定番としても有名です。
  • その意味は「天は、他人の助けを借りずに、自身で努力する者を助けて成功させる」ということですね。
  • この表現を最初に使ったのは、17世紀イングランドの政治家であり哲学者:アルジャーノン・シドニーで、その後1776年、アメリカ独立宣言の起草委員の一人となったベンジャミン・フランクリンが引用して世間に広まったといわれます。
  • スマイルズが説く「最良の教育」とは、「人が自分自身に与える教育」であり、確固たる目的や目標を持っていれば、そのために打ち込む勉強も実り多いものとなる、ということでしょう。