易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「上善如水」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「天雷无妄」の「上爻変」でした。
  • 「无妄」(むぼう)は、無心で作為することなく天命の下に動きます。 
  • 「上爻変」ですから、まだ自分で何かコントロールできると考えがちですが、自然な流れに委ねるのがベターですね。
  • 本日のテーマは、「上善如水」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 戦国時代、キリシタン大名であった武将の一人に、織田家から豊臣家に仕えた黒田官兵衛がいます。
  • 官兵衛は、太閤・秀吉側近の軍師でありブレーンとして幅広く活躍しますが、いわゆる「文禄の役」で朝鮮半島に入った1593年(文禄2年)3月、秀吉が指示した攻略計画に反対し、石田三成増田長盛とも対立して勝手に帰国したといわれます。しかし、秀吉から「軍令に従わずに戦線を離脱した」として、朝鮮に追い返されます。
  • 同1593年の8月、剃髪して「如水軒円清」と号したことから黒田如水(くろだ じょすい)として広く知られています。

 

〇「観る力を養う」

  • 本日のテーマ「上善如水」は、以下のとおり『老子』の一節からの出典です。

(読み下し文)「上善は水の若し。水は万物を善く利して、而も争わず。衆人の悪(にく)む所に居る。故に道に幾(ちか)し。」

「居には地を善しとし、心は淵なるを善しとし、與には仁を善しとし、言には信を善しとし、正には治を善しとし、事には能を善しとし、動には時を善しとす。それ唯争わず、故に尤(とが)無し。」

(現代文大意)

「最善のあり方は水のようにあること。水はあらゆるものを役立たせ、決して争わない。人の嫌がる場所に身を置くから道(=めざす目的・目標)に近い。」
「居場所は大地とし、心は深い淵のように静かで、人々と接するときは思いやりを持ち、言葉は真心をもって語り、良い政治を行い、課題解決には能力を発揮し、行動はタイミングよくする。水は万物に合わせて争わない。したがって咎(とが)められることもない。」

  • 黒田官兵衛は、臨済宗の禅僧から授かった号・如水を名乗り、1604年(慶長9年)京都伏見藩邸に享年59歳で没しました。辞世の句「おもひをく 言の葉なくて つゐに行く 道はまよはじ なるにまかせて」を遺しています。
  • また「水」といえば、大阪・箕面市出身の笹川良一氏の提唱する「水六訓」があります。
  • 同氏は、日本船舶振興会(今の日本財団)や日本防火協会、あるいはハンセン病患者などを支援する笹川保健財団などの初代会長を歴任した社会事業家であり、政治家でもありました
  •  「水六訓」は、以下のように「水を心とすることが、平和と健康と長寿の妙薬であり、水が訓えるような人生を送ること」を説いています。
  1.  あらゆる生物に生命力を与えるは水なり。
  2. 常に自己の進路を求めてやまざるは水なり。
  3. 如何なる障害をも 克服する勇猛心とよく方円の器に従う和合性とを兼ね備えるは水なり。
  4. 自ら清く他の汚を洗い清濁併せ容るの量は水なり。
  5. 動力となり光となり、生産と生活に無限の奉仕を行い、何等報いを求めざるは水なり。
  6. 大洋を充たし、発しては蒸気となり、雲となり、雨となり、雪と変し、霧と化してもその性を失わざるは水なり。