易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「無用の用」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「風山漸」の「四爻変」でした。
  • 「漸」(ぜん)は、初動体制が整い、徐々に自分のペースがつかめるときです。 
  • 「四爻変」ですから、よきリーダーに従ってチームをまとめます。
  • 本日のテーマは、「無用の用」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 当地域・四條畷市の東部に位置する田原台:通称『パークヒルズ田原』の開発事業は、1983年(昭和58年)に始まりました。開発面積:約127ha、計画人口:約1万人で、「まちびらき」はバブル経済が頂点に達して弾け始める1990年(平成2年)の春でした。
  • 以来30年余りの月日が経過し、現在は人口が約7千人の落ち着いた趣のあるまちになってきました。
  • 『パークヒルズ田原』の開発事業は、当時の住宅・都市整備公団(現在のUR)によって進められましたが、区画を整理して土地の切り盛りを進める過程で、この地独特の岩石が多量に出てきたことも一因となって、当初の事業期間が何回か延長されています。
  • この岩石は、生駒山系に産する少し黒っぽい花崗岩質で、量もさることながら固さもあります。かつては、石切り場もあったようですね。
  • 通常の宅地開発では、このような岩石がゴロゴロと出てくることは、大きな障害でありコスト面でも計画修正が迫られるところです。ところが、当時の住都公団の事業に携わっていた関係者は、素晴らしいことに、この無用で邪魔な大量の石を「まちづくりに活かそう」と考えて実行したのです。
  • そうした発想と工夫のお陰で、まちの通りや公園などのいたるところに石の彫刻がある「緑と石と水」を融合させたユニークな景観を持つまちになったわけです。
  • どの地区の公園にも石の彫刻やモニュメントなどが配置されていますが、とりわけセンター地区に近い4丁目の通称「石公園」では、子どもたちが石で造形・配置された空間で楽しそうにはしゃぎまわる情景がよく観られます。
  • また地元の田原中学校の生徒が制作した郷土史カルタ「田原の里」の中にも『街の中 水の流れに 石の彫り』の一句が詠まれています。(四條畷市のホームページから)

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    田原台4丁目の通称「石公園」

    〇「観る力を養う」
  • 本日のテーマ「無用の用」は、中国の道家老荘思想から引かれた「役に立たないように見えるものでも、かえって役に立つこともある。この世に無用なものは存在しない」という教えです。
  • かの老子も「読み下し文:埴をうちて以て器を為る。その無に当たりて器の用有り(現代語訳:粘土をこねて器を作る。器の中にある空間は一見無用に見えるが、その空間があるから器が作れるのだ)」と「無用の用」を説いていますが、その弟子が著した『荘子』には、ズバリの表現で「読み下し文:人は皆有用の用を知るも、無用の用を知る莫きなり(現代語訳:人はみんな明らかに役立つものの価値は知っているが、無用に見えるものが人生において真に役立つものだとは知らない)」とあります。
  • 住都公団によって残された石の彫刻やモニュメントの数々を大切な「田原のまちづくりの遺産」として語り継ぎたいものです。