易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「武士道の精神」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「山沢損」の「五爻変」でした。
  • 「損」(そん)は、社会全体の便益を考えて奉仕します。 
  • 「五爻変」ですから、これまでの努力が天の援けもあり実を結びます。
  • 本日のテーマは、「武士道の精神」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 武士道の起点は、武士が為政者としての役割を担うようになった鎌倉時代といわれます。(山本博文『武士道と日本人の心』)
  • また中国出身の哲学者・石平氏は、近著『日本の心をつくった12人』で楠木正成を取り上げ、「伝統的な武士道精神が、正成の生き様によって大義に殉じて死ぬ理想的な武士道精神として完成された。」と述べています。
  • 私自身は、この「楠公精神」が武士道精神の原型となり、父親の遺志を継いで「大義」に殉じた当地域・四條畷ゆかりの小楠公・楠正行の生き様によって、武士道精神の完成度がより一層高められたと考えています。
  • そもそも「義」は「宜」と同じ意味であり、人々や社会全体にとってより大きな「宜(よろ)しき」状態を実現することが「大義」です。
  • 楠公精神」が時代を超えて語り継がれ、人々の心に今も響いてくるのは、この「大義」のために生涯を尽くしたこと、そこに魅力と感動を覚えるからではないでしょうか。

 

〇「観る力を養う」

  • 日本人の心・国民性を論じる上で欠かせない「武士道の精神」について、その意味を観じてみます。
  • 「武士道といふは、死ぬことと見つけたり」は、鍋島藩に伝わった『葉隠聞書(はがくれききがき)』にある言葉です。これは、江戸時代中期の「武士道」を説いた武士の修養書で、隠居していた藩士・山本常朝(やまもとつねとも)が口述した談話を、門人が筆録したものといわれます。
  • 人間にとって「死ぬこと」は、自分の生命を賭ける究極の選択であり、武士が国政を動かす武家社会という時代背景の表現として解釈すべきですが、先述の言葉の続きに「(原文)二つ二つの場にて、早く死方に片付ばかり也。別に子細なし。胸すわって進む也…(大意:二つのうち一つを選ぶ場合、例えば生きるか死ぬかの選択であれば、死ぬ方を選ぶ方が正しい。難しく考えずに腹を括って進むこと)」とあります。
  • したがって、その本来の意味は、「物事を判断するときには自分を勘定に入れず、相手のことや社会全体のことを考えて進むこと」、つまり究極の「社会に奉仕する精神」を説いていることが分かります。
  • また『BUSHIDO,The Soul of Japan』では、「武士道」を象徴する言葉として、「正義・勇気・仁・礼・誠・名誉・忠節」の7つを挙げています。(20世紀の初頭に新渡戸稲造が著した英文の書)
  • 易経』の「損」卦は、その一文字で「武士道の精神」の本質的な意味を説いています。