易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「過ぎたるは」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「火地晋」の「上爻変」でした。
  • 「晋」(しん)は、正しい目標に向かって能力全開で行動するので、勢いよく進展するときです。 
  • 「上爻変」ですから、周りへの心遣いが不十分なまま、勢い良く進み過ぎて危ういですね。度を越していないか自覚することが大切です。
  • 本日のテーマは、「過ぎたるは」です。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 人間が経済活動を進展させ、豊かさを享受しようとするとき、その追求の手段や方法あるいはスピードによって、人間社会に害悪をもたらす側面も生じます。
  • (今日では「公害」も死語になりつつありますが)1960年代からの高度経済成長期を経て、ここ大阪でも水質・大気の汚染や地盤沈下による水害などで、公害対策が強く求められた時期がありました。
  • その結果、1970年代の大阪は全国的にも環境行政の最先進地域として、各方面からも評価されていたものです。
  • 大阪府立公害監視センター」は、1968年(昭和43年)大阪市城東区に開設され、環境分野の最先端機能を備えた施設として、当時は各方面からの視察や見学が頻繁にありました。
  • その後「環境科学センター」と改称され、府域の環境監視や環境技術の発展等に貢献してきましたが、施設の老朽化及び研究機能の集約化を図るために、2016年(平成28年)9月をもって閉鎖されています。
  • このセンターの役割・機能は、従来「大阪府立農林技術センター」が立地していた羽曳野市に、独立行政法人化とともに再編整備された「大阪府立環境農林水産総合研究所」に受け継がれています。

    大阪府立環境農林水産総合研究所(同研究所のホームページから)

 〇「観る力を養う」

  • 本日のテーマ「過ぎたるは」は、孔子と弟子のやり取りを記した『論語』の先進篇にある一文「過ぎたるは猶、及ばざるが如し」から、「良いと言われることでも、やり過ぎは害になる」という意味で使われる言葉です。
  • 人類が社会経済活動によって便益を追求する場合、常に行き過ぎのない「中庸」が望ましいのですが、人間に欲望があり世の中に競争がある限り、(主として政治や行政の役割とはいえ)情勢を的確に見極めて(害悪を生じる前に)修正することは容易ではありません。
  • ただ個々人の行動でいえば、何事においても「主従・重軽・緩急」という3つの判断基準、つまり自分が追求している事柄を「主たることか従たることか」「重いか軽いか」「急ぐのか緩やかでもいいのか」という観点から俯瞰してみれば、少しは「中庸」の域に近づく判断ができるかもしれませんね。