〇「今日の易占から」
- 今日の易占は「地山謙」の「上爻変」でした。
- 「謙」(けん)は、謙虚に出しゃばることなく控えめに応じます。
- 「上爻変」ですから、謙遜のつもりが卑屈な笑いでお茶を濁してしまうのは、頂けませんね。
- 本日のテーマは、「笑いの文化」とします。
〇「地域を楽しむ」 「観る力を養う」
- 大阪・関西は「笑いの文化」に恵まれた圏域です。
- 明治安田生命「関西を考える会」は、関西の豊かな文化・歴史そしてポテンシャルを探ろうという活動を1976年(昭和51年)にスタートし、毎年異なるテーマで小冊子を刊行しています。
- かなり前の2007年版には、『関西と笑い』というタイトルで、「関西の歩んできた歴史、ひとびとの気質、ことば、生活スタイルなどと多くの関係がある」と説明し、同時に関西各地の文芸作品に描かれた舞台や、映画・ドラマのロケ地、作家ゆかりの場所などが紹介しています。
- (この中にも記述されていますが)「大阪弁を駆使して、大阪らしい風景や生活感、時代を描いてきた」作家の一人に田辺聖子さんの存在があります。
- 一昨年の6月、田辺さんが91歳で逝去された際に、ネットで流れたニュース記事には、「軽妙な大阪弁を駆使した恋愛小説などで知られる芥川賞作家…明るい文体と人間への優しいまなざしで、男女の機微や庶民の生活感情をユーモアたっぷりにすくい取った。1964年に『感傷旅行(センチメンタル・ジャーニイ)』が芥川賞を受賞」と書かれています。
- またNHK連続テレビ小説の2006年度下半期の作品『芋たこなんきん』は、田辺さんの自伝的小説からドラマ化されたものでした。
- 東大阪市に位置する大阪樟蔭女子大学には、平成19(2007)年に創立90周年記念事業として、卒業生・田辺聖子さんを顕彰すべく「田辺聖子文学館」が開設されていて、一般公開もされています。
- 学園のホームページに掲載されている中 周子館長のメッセージ(抜粋)は、以下のとおりです。
田辺さんは、…本学での学びと国文学への深い造詣を基盤として、独自の豊かな文学的世界を創造され、多くの読者を魅了…。 芥川賞受賞作『感傷旅行(センチメンタル・ジャーニイ)』をはじめとする斬新な恋愛小説、『源氏物語』等の古典文学の現代語訳、大阪弁や川柳の研究に基づく作品、作家の評伝小説、軽妙洒脱なカモカシリーズ等々、…平成20(2008)年には文化勲章を受章…。堅実な家庭人として日々の生活を楽しむことを大切にされた魅力的な女性…。終生、母校・樟蔭を愛しみ懐かしむ心を持ち続け…第二次世界大戦下の激動の時代を生き抜き、鋭い洞察力と豊かな言語感覚・巧みな文体によって様々な人間を描き続け…。昭和・平成を代表する作家として正しく評価・研究されるべき時…。 自宅の書斎やカモカバーを再現し、愛用品の数々を展示し…。生原稿をはじめ貴重な少女時代の、作家デビュー以前の作品や講演の映像資料なども所蔵しています。