易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「待てば海路の日和あり」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「水天需」の「二爻変」でした。
  • 「需」(じゅ)は、待つとき。「待てば海路の日和」が到来します。 
  • 「二爻変」ですから、水際で待つ状態。情勢を見極めつつ心は平静を保ちます。
  • 本日のテーマは、「待てば海路の日和あり」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 当地域・四條畷の西部、国道170号線沿いの「蔀屋北(しとみやきた)遺跡」は、古墳時代の中期以降の大陸から渡来した人々の生活実態を伝える文化財が、2006年(平成19年)までの調査で多数発掘されています。
  • 住居跡やカマド、あるいは馬を飼育するための製塩土器や水を汲み上げる井戸等々ですが、とりわけ井戸の壁面に、朝鮮半島から馬などを輸送してきた「準構造船」の船底部を転用した板材が使われているのは、大変興味深いことです。
  • 「準構造船」とは、縄文時代の一木を刳り抜いた「丸木舟」に対し、弥生・古墳時代になって、船の側面に板材を継ぎ足して容量を大きくするなど、改良された船のことです。
  • なお、骨組みと板材によって建造された木造船を一般的に「構造船」と呼んでいます。
  • 5世紀~7世紀当時の渡来人たちは、天候や海流を予測しながら、それこそ命懸けで貴重な船・「準構造船」を漕ぎ出し、瀬戸内海を経て河内湾(潟・湖)の最奥部に位置する讃良(今の四條畷市寝屋川市)まで辿り着いたことでしょう。

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    四條畷市史第5巻(考古編)から

 〇「観る力を養う」

  • 「待てば海路の日和あり」は、一般的に「今は海原が荒れていても、待てば必ず航海に適した穏やかな天気になる。じっくりと好機を待とう。」という意味で使われる慣用句です。
  • 元々「待てば甘露の日和あり」とされていたところ、「甘露」(「甘露」は、中国の伝説にある「天子の仁政に天が感応して降らせる甘い液」のこと)から「海路」に転化したもので、「甘露の日和」よりも「海路の日和」の方が実感につながりやすいことから、主に「海路」が使われるようになったとされています。
  • ただ「甘露」の方は、為政者の悪政・暴政に苦しむ民衆の、来るべき善政を待ち望む気持ちが、切々と伝わってくるような感じもしますね。
  •  さて、このところ毎年各地で繰り返される豪雨や洪水、加えて昨年来のコロナ感染症による影響、そしてグローバルに展開される政治・経済情勢に潜む危うさ等々は、近年における人類の諸活動に対する「天の警告」と受け止めるべきでしょうか。
  • 今日的には、むしろ「待てば甘露の日和」を求めたいような場面が多いように感じるのは、私だけでしょうか。