易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「己を知る」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「火山旅」の「上爻変」でした。
  • 「旅」(りょ)は、孤独な旅路にあるとき。謙虚かつ用心深く。 
  • 「上爻変」ですから、最悪の状況ですね。これまでの高慢な振る舞いの報いでしょうか。自省して出直します。
  • 本日のテーマは、「己を知る」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 戦国の武将で「己を知る人物」といえば、大阪に生まれ育った私の場合、「豊臣秀吉」を挙げたいところですが、やはり筆頭は江戸幕府という強固な基盤を築いた「徳川家康」でしょう。
  • 激変する社会情勢の中で、己を知って最後の最後まで耐え忍び、そしてついに天下人となる家康の人生観は、その「遺訓」とされる以下の言葉に尽くされています。

「人の一生は重き荷を負って遠き道を行くが如し。急ぐべからず、不自由を常と思えば不足なし。心に望み起こらば、困窮したるときを思い出すべし。堪忍は無事長久の基(もとい)。怒りを敵と思え、勝つ事ばかりを知りて負くるを知らざれば、害その身にいたる。己を責めて人を責むるな。及ばざるは過ぎたるに勝れり。」

 

〇「観る力を養う」

  • 中国の道家の代表的な古典『老子』の中に、以下の文(読み下し文)があります。

「己を知る者は知なり、自らを知る者は明なり。人に勝つ者は力有り、自ら勝つ者は強し。足ることを知る者は富めり、 強めて行う者は志有り。其の所を失わざる者は久し、死して而も亡わざる者は寿を全す。」

  • その大意は、次のとおりです。

「他者を理解するのは知者であるが、自分自身を理解する者こそ明知である。他人に勝つ者は力があるが、己に勝つものが真の強者である。既に持っているもので満足できる者が富裕なのであり、自分で努力して行動できる者が志のある人物である。自分らしい生き方を失わない者は長続きし、死ぬときまで天命に合致した志を失わない人物が、その天寿(天命)を全う(まっとう)できる。」

  • 自分の能力や本心を最もよく理解してくれる人物、つまり親友のことを「知己」と言いますが、人生の半ばを過ぎたら、やはり「自分自身を深く知って、自分らしい生き方(志)を持続できる」よう心掛けたいものです。