易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「文化は未来を耕す」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「山火賁」の「三爻変」でした。
  • 「賁」(ひ)は、装飾のイメージ。外面だけでなく内面の充実をめざします。 
  • 「三爻変」ですから、しなやかに美しく振る舞い、内面も磨きます。
  • 本日のテーマは、「文化は未来を耕す」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 今から50年前、1970年(昭和45年)に大阪・千里で開催された万国博覧会では、各界から数多くの未来技術や社会実験が試され、その後の社会経済や生活スタイルに大きな変革をもたらしました。
  • この万博に出展され、その後実現・普及した結果、今日では当たり前のように利用されているものとして、例えば「温水洗浄便座(ガス館)」、「動く歩道」、「エアドーム」(アメリカ館、藤グループパビリオン)」、「携帯電話(電気通信館)」、「アストロラマ(みどり館)」「電気自動車 (ダイハツ工業)」等々です。
  • また、誰でも一目でわかる「サインシステム(ピクトグラムと共同運用した最初のもの)」も、この博覧会場から広く社会に普及しています。
  • その中でも、特に注目を集めた建物として「世界初のエアドーム(アメリカ館)」、柱を使わず、空気圧だけで膜屋根を支える、短工期・低コストの構造物がありました。
  • これを開発したのは、戦後ミシン製造から創業したテントの会社・太陽工業株式会社(大阪市)です。その技術は、1988年(昭和63年)に誕生した日本初の屋根付き球場・東京ドームにつながりました。イベントの雨天中止をなくした夢の構造物、それをテフロンで強化した布製の膜材を屋根に使う「膜構造建築」技術で実現したわけです。
  • さらに、2020年3月9日の新聞記事では、「太陽工業が、世界的な新型コロナ肺炎の広がりを受けてウイルス対策がされた医療用テントを増産」「年内に前年の5倍に相当する1000基を出荷する計画。まず4月中に100基を見込む」と報じられていました。
  • この「医療用陰圧テント」は、他のメーカーも手掛けていますが、気圧を外部よりも下げられるほか、排気フィルターでウイルスがテント外に出るのを防ぐ機能があり、約10分で設営できる優れものです。

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    太陽工業のホームページから
  • 2009年の新型インフルエンザや15年の中東呼吸器症候群(MERS)でも国内外に実績があり、現在は大阪の枚方工場で生産しているとのことです。

 

〇「観る力を養う」

  • 本日のテーマ「文化は未来を耕す」から、改めて「文化」について考えてみました。
  • 一般的に英語の‟culture" は、本来「耕す」、「培養する」、「洗練したものにする」、「教化する」といった意味合いがあり、人間の精神面での向上を示す言葉として捉える考え方もあります。(文化人類学の領域では、人間と自然や動物の差異を説明するための概念として「文化」を捉えることも)
  • また、福沢諭吉が『文明論之概略』(1875年・明治8年)の中で、‟civilization“の訳語として使った「文明開化」が語源であるとして、当時は「西欧文明」が明治維新以降の日本社会に大きなインパクトを与えたことを指し、その後「文化」という表現が定着したとする説、あるいは明治期の哲学者・西周(にしあまね)が最初に使ったとする説など、諸説あります。
  •  私は、その時代の「文化」は、「次の時代(未来)の夢を耕す営み」と捉えたいので、「耕す」という表現に「文化」の持つ妙味を感じます。
  • 2025年には、大阪・夢洲で「大阪・関西万博」が開催されます。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、コロナ禍や貧困・テロ・自然破壊などを克服する共生の文化、「未来の大きな夢を耕す」博覧会になるよう願いたいですね。