易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「先憂後楽」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「兌為沢」の「四爻変」でした。
  • 「兌」(だ)は、悦ぶ。心を通じ合える友との語らいは楽しいものです。はしゃぎ過ぎには注意が必要ですが。 
  • 「四爻変」ですから、迷いが生じますが、自らを律して正道を守ります。
  • 本日のテーマは、「先憂後楽」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 当地域・四條畷(当時の地名:讃良)ゆかりの持統天皇は、673年(天武2年)に即位した天武天皇の皇后となり、それ以降、天武帝崩御後の称制~自ら天皇に即位~文武帝即位後の太政天皇上皇)として、702年(大宝2年)に58歳で亡くなるまで、常に朝廷の中心にありました。
  • その遺詔(遺言)は、「素服(喪服)を着たり、挙哀(こあい:死を悼んで泣き叫ぶ儀礼)をしないようにせよ。内外の文官・武官の職務は平常通り行え。葬送の儀礼は倹約にせよ。」であったと伝えられます。(瀧浪貞子著『持統天皇』)
  • 持統天皇は、生前から仏教に深く帰依していました。このことから葬送は、唐の仏僧・玄奘を師とする僧・道昭が、700年に火葬されたことに倣って、天皇家では初めて火葬で行われました。自身の墓も築造させず、夫・天武天皇の陵墓に合葬されたのです。

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    野讃良皇女」(四條畷市立歴史民俗資料館の第32回特別展)から

〇「観る力を養う」

  • 本日のテーマ「先憂後楽」について、その意味からひもといてみました。
  • 一般的には、「先に苦労・苦難を体験した者は、後に安楽になれる。」という意味で使われることが多いように思いますが、その語源からすると、11世紀の中国・北宋の政治家・范仲淹(はんちゅうえん)が残した『岳陽楼記(がくようろうのき)』に出てくる言葉とされています。
  • その意味は、「為政者の心得」を説くもので、「常に民に先立って国のことを心配し、民が楽しんだ後に自分が楽しむこと」です。
  • 現代の人類にとって、この「コロナ禍を克服するプロセス」が歴史に残る「先憂後楽」のモデルになることを願うばかりです。