易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「もったいない・〝MOTTAINAI〟精神」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「水地比」の「五爻変」でした。
  • 「比」(ひ)は、水が地面に浸み込むように、親しく交わり調和します。 
  • 「五爻変」ですから、私心なく交わるので、信頼関係も深まります。
  • 本日のテーマは、「もったいない・〝MOTTAINAI〟精神」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • わが国の「馬文化」については、日本書紀の記すところ、応神天皇15年に朝鮮半島の「百済王から良馬二匹が献上された」のが最初とされていますが、6世紀の継体天皇期になると、「百済に使者を派遣して馬40匹を与えた」という記述が出てきます。
  • 当地・四條畷の遺跡群には、渡来人から「馬文化」を受け容れ、繁殖技術を広めた「馬文化発祥の地」としての歴史的証拠(馬の遺骨・製塩土器・馬具・埴輪馬・馬の祭祀跡)が数多く出土しています。
  • 当時、馬を運んできた木造の「準構造船」の船体部分の板材が、馬に与える飲み水を汲み出す井戸の壁面材にリサイクル転用されていた痕跡も残っていました。

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    四條畷市史第5巻(考古編)から
  • 古代の人々は、渡来文化を受け容れ、「もったいない精神」を発揮しながら、これを日本の風土に適合させていた有様がイメージされます。

 

〇「観る力を養う」

  • そこで、本日のテーマ「〝MOTTAINAI〟精神」について考えてみます。
  • 日本語の「もったいない」という言葉を、世界の共通語“MOTTAINAI”にした人物、それはケニア人のワンガリ・マータイ氏です。
  • この世界共通語が誕生したのは、2004年(平成16年)に環境分野で初めてノーベル平和賞を受賞したマータイ氏が、2005年(平成17年)に日本で締結された気候変動に関する国際連合枠組み条約(いわゆる「京都議定書」)の関連行事に招かれた時です。
  • マータイ氏は、行事の主催者であった毎日新聞社のインタビューの中で、この言葉を知って強い感銘を受けたことから、環境を守る象徴的なキーワードとして発信し始めたことに始まります。
  • その後2011年(平成23年)にマータイ氏が亡くなってからも、“MOTTAINAI”という言葉は「環境3R(Reduce:減量、Reuse:再利用、Recycle:再資源化)+Respect(かけがえのない地球環境に対する尊敬の念)」という4つの意味を込めた世界共通語として認知されました。
  • 今日では、大自然の恵みの中で独自の文明を築いてきた日本人の心とライフスタイルを凝縮した言葉「もったいない」が、“MOTTAINAI”として定着しています。
  • 改めて日本語の「もったいない」について、その由来を調べて整理してみましょう。
  • 国語的には、「①畏れ多い ②身分にふさわしくない ③使わずに置いたり、無駄に使うのが惜しい」といった意味であり、時代の経過とともに使用頻度は減少しているものの、やはり③の意味で使われることが最も多いようです。
  • また「もったいない」には「勿体」という漢字が充てられています。
  • この「勿体ない」は元来仏教用語であり、その意味は「世の中のすべてのものはつながりがあって、“縁”によって成り立っていること」、即ち「自ら単独で成り立っているものはなく」、したがって「これまでつながってきたものとの縁に感謝することなしに、縁を断ち切る(捨てる)ことは、つながってきたものと自らの存在を粗末に扱う行為となる」ということです。
  • したがって「もったいない」は、仏教の教えを含めて、我々日本人の自然観や道徳観に長い年月を経て培われてきた、奥深い意味を持つ言葉といえるでしょう。