易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「風林火山」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「艮為山」の「上爻変」でした。
  • 「艮」(ごん)は、静かに現状に止まって、今はエネルギーを蓄えます。 
  • 「上爻変」ですから、心静かに悩みぬく姿勢が次の展開につながります。
  • 本日のテーマは、「風林火山」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 当地・四條畷ゆかりの小楠公・楠正行の幼名「多聞丸」は、父親である大楠公楠木正成の幼名を引き継いだものです。
  • 楠木一族の戦い方は、楠木正成がまだ「多聞丸」と称していた頃に、現在の大阪府河内長野市に居を構えていた軍師・大江時親(平安時代歌人大江匡房の子孫とされる)から日々、軍学兵法を実践的に学んだものと伝えられます。
  • 地元・河内長野市の三日市地区には、正成(多聞丸)が観心寺の学問所から、兵法を学ぶために大江時親邸まで通ったとされ、地元の人々から「楠公通学路(橋)」と呼ばれる道があります。
  • 約3年前の2018年(平成30年)3月、地域関係者の尽力で、この「楠公通学路(橋)」の近くに、「多聞丸が学んでいる姿」を象った石像が建立されています。(南海電鉄高野線の三日市町駅からすぐ)

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〇「観る力を養う」

  • 本日のテーマ「風林火山」は、戦国武将・武田信玄の旗印で有名ですが、その出典は『孫子・軍争篇』です。原文とその読み下し文は以下のようになっています。

(原文)「故其疾如風、其徐如林、侵掠如火、不動如山」

「難知如陰、動如雷霆」「掠郷分衆、廓地分利、懸權而動」

(読み下し文)「故に、其の疾(はや)きこと風の如く、其の徐(しず)かなること林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山の如し」

「知りがたきこと陰の如く、動くこと雷霆(らいてい)の如し」「郷を掠(かす)めて衆を分かち、地を廓(ひろ)めて利を分かち、権を懸けて動く。」

  • この古代の中国・春秋時代における戦争の基本書とされる『孫子』は、元来「百戦百勝は善の善なるものに非ず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり」(謀攻篇)とあるように、まず外交努力をしてから、それでも折り合わない場合の方法論として「兵法」を位置づけています。
  • 極めて緻密な観察眼に基づき、戦争の様々な様相を区別し、それに対応する戦略・戦術を説いていますが、その基本は「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず」(謀攻篇)の考え方にあるでしょう。
  • 鎌倉末期から南北朝時代のような戦乱状態にあるとき、「風林火山」の中でいえば「山」、つまり「山のように動かざる」姿の見せ方とそのタイミング、これが最も難しいところではないかと推測します。
  • 大江時親は、『孫子』も読み込みながら、当時の社会情勢やわが国特有の地理的条件などを駆使した実践論を、「多聞丸」に伝授したことでしょう。