易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「無知は罪なり、知は力なり」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「山水蒙」の「四爻変」でした。
  • 「蒙」(もう)は、十分な学びが必要とされる状況です。
  • 「四爻変」ですから、自らの無知、学びの必要性を自覚します。
  • 本日のテーマは、「無知は罪なり、知は力なり」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 当地・四條畷ゆかりの安岡正篤氏は、「陽明学者」として紹介される向きもありますが、その著作に見られる対象領域は広く東洋の学問全般に通じていますから、教育者であり哲学者というべきでしょう。
  • 安岡氏は、「知:知識や情報」について、単にそれを持っているだけでは意味はなく、それを実践・行動に活かしてこそ価値があるとして、「見識」と「胆識」を区別して説きます。

 

〇「観る力を養う」

  • さて、本日のテーマ「無知は罪なり、知は力なり」は、以下のような人物の言葉をつなげたものです。
  • まず前段、紀元前ギリシャの哲学者・ソクラテスに言葉に、「無知は罪なり、知は空虚なり、英知を持つ者は英雄なり」があります。
  • ここでの「知」は、単なる知識・情報のことを指し、「英知」は体験・経験を踏まえたもので、次の行動に活かせる「智恵」だと理解します。
  • そして後段の「知は力なり」は、16世紀から17世紀にかけて活躍したイギリスのフランシス・ベーコンの言葉です。
  • ベーコンは、法律家からスタートして政治家としても名を成した哲学者です。
  • 彼が説く「知」は、その目的・目標が「地位や名声を得ること」ではなく、「人類の未来を切り拓く営み」として捉え、具体的には「観察と実験」に基づく「経験・データの蓄積」から発見・発明などに迫っていく科学的なアプローチ(帰納法)が、その核心になっています。
  • その後、彼がどこまで想像したかは別にして、「知は力なり」の文字どおり、大英帝国をはじめ西欧諸国が近代文明を大きく変容させ、世界に勢力を広げていく論理と行動を示唆するものとなったわけですね。
  • 儒教的にいえば、『論語』にあるのが「知らざるを知らずと為す是知るなり。」つまり「知らないことは、知らないと自覚すること、これが本当の知るということ」です。(そういえばソクラテスも「無知の知」を説いていましたが…)
  • また孔子は、「これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。」とも説いています。