易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「先哲に学ぶ」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「沢地臨」の「上爻変」でした。
  • 「臨」(りん)は、治政が行きわたる状況です。 
  • 「上爻変」ですから、賢人に従って篤実をもって臨みます。
  • 本日のテーマは「先哲に学ぶ」。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 当地・四條畷ゆかりの教育者・東洋哲学者の安岡正篤氏は、1898年(明治31年)に大阪市の堀田家の四男として生まれ、今の東大阪市の善根寺町(旧宅)から旧制の大阪府四條畷中学校(現在の府立四條畷高等学校)に、毎日徒歩で5年間通学していました。

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    東大阪市善根寺町にある安岡氏の旧宅
  • その後、東京の安岡家の養子となり、1922年(大正11年東京帝国大学を卒業しています。
  • 大学の卒業記念に出版した『王陽明研究』が世間から評価されたことから、「陽明学者」としても有名です。
  • その生家である堀田家は、尾張国・堀田村(現在の愛知県稲沢市堀田町)に住む「堀田正泰」の末裔と伝えられる家系で、「堀田正泰」は南北朝時代、1348年(正平3年)の四條畷の合戦で、楠正行とともに討ち死にした武将です。

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    堀田屋敷跡にある天神社(愛知県稲沢市堀田町)

〇「観る力を養う」

  • 本日は、安岡正篤氏の事績から学ぶことにしました。
  • 安岡氏は4~5歳頃から漢籍素読していたようですが、先述の『王陽明研究』の著作に当たっては、中国の古典・『史記』と『資治通鑑』を読破したことが記されています。
  • 史記』は全130巻、『資治通鑑』が294巻にもなる大部の書物ですから、その読書力は驚くばかりです。
  • 安岡氏の著作から、学ぶという姿勢とその目的について語っている部分を、以下に抜き書きしてみました。

「私はただ自我の奥殿を通じて廓然たる(=わだかまりのない)自由の天地に出たい為に縁に随って儒に入り、更に道釈にも泛濫(はんらん)し、また西洋哲学に聴き、神道に参するを楽しむ者である。」(『日本精神の研究』)

「我々の学は、いづれの一にも偏せず、すべてに学ぶ。我々は縁にしたがって学ぶ。おのづからなる所縁より人これ何と称するも、また争うことはない。我々の学は、門戸を立てて他と争うべきではない。命を知り命を立つるにある。」(『東洋の心』)

  • つまり、安岡氏の説くところは、儒学との縁に始まり、道教・仏教、そして西洋哲学から神道まで、特定の学問・思想を排除することなく様々な領域から自由に学び取り、自らの「知命立命(生きる目的を自覚し、志を立てる)」のために学び続けるということですね。