易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「トップリーダーのあり方」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「地天泰」の「二爻変」でした。
  • 「泰」(たい)は、安泰・泰平のとき。互いに交わり協力協働が進みます。 
  • 「二爻変」ですから、大道に従い、しかるべきリーダーシップを発揮します。
  • 本日のテーマは、「トップリーダーのあり方」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 「新型コロナの感染拡大が世界中に及び、これまでの人間社会の変容を迫る」という未経験の事態に遭遇し、各国のトップリーダーは、その器量と決断力が問われ続けています。
  • どの国においても未経験で、しかも変異するウィルスは予測困難ですから、特定の現象面だけでトップリーダーの評価を下すことは避けるべきでしょう。
  • さて、当地・四條畷ゆかりの東洋哲学者・安岡正篤氏は、「理想的なトップリーダー像」を「①敬虔で私心なく ②自信を温容に含み ③慈愛と信頼を秘め ④冒し難い威厳を整えながら ⑤どこかユーモアがあり ⑥そして一抹の寂しさを含んでいる者」と語っています。(『安岡正篤中村天風帝王学』2000年プレジデント社刊)
  • なかなか得難いリーダー像ですが、とりわけ今のような非常時には、こんなリーダーが望ましいことは言うまでもありません。

 

〇「観る力を養う」

  • 本日のテーマ「トップリーダーのあり方」については、これまで国会の「憲法調査会」で審議されてきた憲法改正論を含めた制度的な側面も考える必要があります。
  • わが国のように議院内閣制の下にある内閣総理大臣と、米国のように強い権限を国民から直接負託された大統領とでは、自ずとそのリーダーシップに違いが出るのは、当たり前のことでしょう。
  • 日本の場合、古来から「話し合って皆で決める」という伝統的な国民意識もあって、現行の憲法でも総理大臣の権限として明記されているのは、第68条の人事権(内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。)と第72条の指揮監督権(内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。)の2つだけで、行政権全般の主体は、全会一致を原則とする閣議に基づいて権限を行使する「内閣」と規定されています。
  • この「内閣の在り方・機能強化と政治のリーダーシップ」に関して、「憲法調査会」では、以下のように意見集約されています。

「党の新憲法起草小委員会の検討(平成17年)においては、行政権の主体については、衆議院の解散権、自衛隊の指揮権、行政各部の指揮監督及び総合調整権の三つについては首相個人に専属させることとし、残余の権限は現行どおり内閣に属するものとするとしている」(自由民主党)、

「行政の当事者である内閣の立場を憲法上一層明確にした上で、国民に対して内閣が責任をとる体制をつくることが必要」

「首相のリーダーシップ担保のための制度が不可欠。65条(行政権は、内閣に属する。)、66条1項(内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。)について、首相を主体とする規定とし、首相の最終的責任を明確にする必要がある」など

  • 憲法の改正論議については、(もちろん第9条のこともありますが)今日の情勢を観ると、むしろこうした行政権限の主体論が重要性を増しているように思います。