易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「サロン」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「沢地萃」の「三爻変」でした。
  • 「萃」(すい)は、集まる。集って互いに楽しく刺激を得られる場づくりが大切です。 
  • 「三爻変」ですから、建設的なアイデアが出なくても、楽しく集える場があれば…。(コロナ禍のトンネルを抜けて)
  • 本日のテーマは、「サロン」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • かつて江戸時代の中頃以降の大坂は、徳川幕府のある江戸や朝廷のある京都とは異なり、町人中心の経済・文化活動が盛んな圏域でした。
  • その頃を象徴する人物として、文化人として高く評価されている木村蒹葭堂(きむら けんかどう)がいます。

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  • その号である「蒹葭」とは葦のことであり、「蒹葭堂」は彼の書斎のことです。庭に井戸を掘ったときに葦が出てきたことを愛でて名付けられ、後にこの書斎名で呼ばれるようになったとされます。
  • 蒹葭堂は、本草学(医薬学)・文学・物産学に通じ、また禅にも精通していました。
  • さらに出版に携わり、オランダ語ラテン語を解した国際人でもあり、そして書画・煎茶・篆刻を嗜むなど、博学多才な人物です。
  • コレクターとしても第一級の蒹葭堂は、書画・骨董・書籍・地図・鉱物標本・動植物標本・器物などを蒐集しており、その知識や収蔵品を求めて諸国から様々な文化人が訪れたといわれます。(『蒹葭堂日記』には、漢詩人・作家・学者・医者・本草学者・絵師・大名など、延べ9万人の来訪者が記されている。)
  • したがって彼の書斎では、幅広い交友が生まれ、当時の一大文化サロンとなったことが窺われます。
  • 大阪市西区にある大阪市立中央図書館の南東角地には、1960年(昭和35年)、市の史跡顕彰事業により建立された「木村蒹葭堂邸跡」碑があります。

 

〇「観る力を養う」

  • 本日のテーマ「サロン」とは、一般的に応接間、談話室などの部屋を意味する外来語です。
  • 元々のフランス語では「宮廷や貴族の邸宅を舞台にした社交界」を「サロン」と呼び、主人が、文化人、学者、作家らを招いて、知的な会話を楽しんだ場所を意味しています。
  • またフランスでは、「展覧会」つまり、かつて「ルーブル宮殿の大サロンで開催されていた芸術アカデミー主催の美術展『サロン・ド・パリ(官展)』を指した。」ともいわれます。
  • 文化人相互の交流の場を称して「〇〇サロン」と呼ぶことがあります。今日では、ネイルサロンやエステティックサロンなど、サービスを提供する店の名前に使用される例も多くみられますが…。
  • 気の置けないメンバーと集い、互いに知的な刺激や感動を与え合えるような場、ささやかな「サロン」を心置きなく開ける日が、一日も早く到来してほしいものです。