易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「偏らない心」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「火風鼎」の「三爻変」でした。
  • 「鼎」(てい)は、三脚の煮炊き用の器:鼎(かなえ)。賢者に従って偏りなく進みます。 
  • 「三爻変」ですから、体制を整えるためには、少々の不便があっても新たな情報を取り入れます。
  • 本日のテーマは、「偏らない心」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 当地・四條畷ゆかり人物で、後の持統天皇/鸕野讃良皇女(うののさららのひめみこ)が天武天皇の皇后として政務を補佐していた頃、680年(天武天皇9年)の『日本書紀』が記すところ、「天武天皇が皇后の病気平癒を祈願して薬師寺の建立を発願し、百僧を得度(出家)させた」とあります。
  • 薬師寺」は、当初、飛鳥の藤原京奈良県橿原市城殿(きどの)町)に造営が開始され、平城遷都後の8世紀初めに現在地の西ノ京に移転されたものです。
  • ただ、天武天皇は寺の完成を見ることなく686年(朱鳥元年)に没したため、伽藍整備は持統天皇が、そして文武天皇が引き継いだものです。
  • この薬師寺の管長をされていた高田好胤師が、仏教の真髄である「空の心」を説いた有名な言葉に、『かたよらない心、こだわらない心、とらわれない心、広く、広く、もっと広く』があります。

 

〇「観る力を養う」

  • さて、「偏らない心」ですが、坐禅脳科学で解く研究から「心の三原色」を提唱するのが、脳生理学者・有田秀穂(ありた ひでほ)氏です。
  • 有田氏は、ドーパミンノルアドレナリンセロトニンという心に働く代表的な3つの脳内物質が相互に影響しあうことによって、あらゆる心の状態が説明できるという仮説を提示しました。
  • 具体的には、この3つの脳内物質を光の三原色に擬えて、以下のように説明しています。
  • ドーパミンは、報酬(成績・お金・地位・夢など)で駆動され、意欲や快情動を発現させる(赤い心)
  • ノルアドレナリンは、ストレスで駆動され、注意・集中や不快な情動(不安・緊張)を発生させる(青い心)
  • セロトニンは、坐禅やウォーキングなどで活性化され、ドーパミン神経(快)とノルアドレナリン神経(不快)を抑制し、平常心をつくりだす(緑の心)

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  • 同氏は、これまで得られた坐禅関連の研究データから、次のとおり説明しています。
    坐禅の呼吸法をおこなうと、脳波に特別なα(アルファ)波があらわれて、大脳皮質の活動が鎮静し、心理的には緊張・不安、抑うつ、敵意などのネガティブな気分が改善し、元気な心の状態があらわれる。また、前頭前野(人間で一番進化・発達した脳部位)が活発に活動し、意欲、集中力、直感力が上昇する。」
    セロトニンという特別な神経がわたしたちの脳のなかにあって、しかもその働きを強め活性化するのが、いろいろな瞑想法であり、坐禅だと考えています。」(有田秀穂『脳内セロトニン活性法』大和書房刊他)
  • 「心の三原色」は、光の三原色である赤、青、緑がバランスよく混ざり合うと、真っ白(透明)になるように、この3つの神経系にバランスよく分泌されることで、不快なことも、喜びや幸福感に満たされることも含めて、感情に流されず安定を保てる理想的な心の状態といえるでしょう。
  • つまり心の色が、限りなく白(透明)に近づいていく状態であれば、「どのようなことにも執着しない、とらわれることがなく、平常心でいられる」ということですね。