〇「今日の易占から」
- 今日の易占は「水風井」の「五爻変」でした。
- 「井」(せい)は、社会公共に便益をもたらすインフラとして、しっかりと維持管理します。
- 「五爻変」ですから、すでに人々に役立ち喜ばれる存在です。
- 本日のテーマは、「元号の意義」とします。
〇「地域を楽しむ」
「これは、万葉集にある『初春の令月にして 気淑く風和ぎ 梅は鏡前の粉を披き 蘭は珮後の香を薫す』との文言から引用したもの…」「…人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ、という意味が込められております。」(平成31年4月1日 内閣総理大臣記者会見から抜粋)
- 「時あたかも新春の好き月(よきつき)、空気は美しく風はやわらかに、梅は美女の鏡の前に装う白粉(おしろい)のごとく白く咲き、蘭は身を飾った香の如きかおりをただよわせている」(中西 進著『萬葉集 全訳注 原文付』による口語訳)
- 「令和」の典拠は『万葉集』の梅花の歌、三十二首の序文…これは奈良時代の初め、当時の大宰府の長官・大伴旅人の邸宅で開かれた「梅花の宴」で、32人が梅の花を題材に詠んだ歌をまとめた序文として、大伴旅人自身が書いたものとされていますが、その源流をたどれば、やはり中国の古典に行き着くという説もあります。(古来、漢字文化を取り入れてきましたから当然といえば当然ですね)
- 「平成」までの247の元号は、すべて中国の古典を典拠としているとされています。
- 元号『令和』の発案者と目されている中西 進氏は、日本文学、特に万葉集の研究者として高名です。
- 同氏は大阪とも縁が深い人物で、かつての大阪女子大学学長や大阪府立中央図書館名誉館長なども歴任されました。
〇「観る力を養う」
- さて、「元号の意義」についてです。
- わが国のように西暦だけでなく、中国古代の漢の時代に端を発する「元号」が使われている国は、他にないようです。
- 「元号の意義」を評価する立場からの意見としては、これが日本だけの貴重な文化遺産であり、西暦の便利さを超越する意義があるとし、以下のような指摘があります。
- 日本独特の歴史と元号の存続は、天皇家が連綿として継続していることと密接不可分であること
- 「日本の国と国民とは何であるか」を示す貴重な資源であり、一つのアイデンティティーになっていること
- すでに西暦と共存して国民生活に根ざし、むしろ一時代の区切り「時代区分」となっていること
- わが国独自の歴史観を育むことにつながり、その時代区分の視点から歴史を見ることで、新たな発見があること