易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「天命・運命・宿命」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「天雷无妄」の「四爻変」でした。
  • 「无妄」(むぼう)は、無心・真心で物事に臨むので作為なし。天命の下に動くので正道に適っています。 
  • 「四爻変」ですから、正道をしっかりと歩むことが大切ですね。そのうち何らかの「益」がある。
  • この卦象や卦爻辞から導かれる本日のテーマは、「天命・運命・宿命」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 地域講座:「なわて学」は、「地域をまるごと学ぶ」場として、3つの領域から以下のような講座プログラムを提供しています。

<学びの領域>   <講座プログラム>      

1.歴史・文化  ・通史

         ・縄文・弥生(銅鐸・木棺など)

         ・古墳(馬文化など)

         ・中世(正行・飯盛城他)

         ・近代(神社・鉄道など)

2.縁ある人物  ・楠正行

         ・三好長慶

         ・持統天皇継体天皇

         ・安岡正篤

3. 地勢・市勢 ・市の名称と市勢の概略

         ・地形地物・モニュメント

         ・市域の自然・生態系

         ・市域の習俗・民俗

 

〇「観る力を養う」

  • 今日のテーマ「天命・運命・宿命」については、地元ゆかりの安岡正篤氏が説くところを中心に、中村天風氏の解釈と比較して取り上げます。
  • まず中村天風氏の解釈は、次のとおりです。

「天命は絶対で、宿命は相対的なものである。もっと判りやすくいうなら、天命というものはどうすることもできない。しかし、宿命というものは、人間の力で打ち開いて行くことが出来るものである。」

  • そして安岡正篤氏は、「命」とは先天的に賦与されている性質・能力(=「天命」)と捉え、その著書『知命立命』の中で、まず「命」について、次のように語ります。

「『命』というのは、絶対性、必然性を表し、数学的に言うならば『必然にして十分』という意味を持っている。人間も人生そのものが『命』である。それは絶対的な働きであるけれども、その中には複雑きわまりない因果関係がある。その因果関係を探って法則をつかみ、それを操縦することによって、人間は自主性を高め、クリエイティヴになり得る。つまり自分で自分の『命』を生み運んでいくことが出来るようになる。」

  • また安岡氏は、「天命」について説明を加え、「知命立命」の意義を以下のように説いています。

「どんな哲学や科学でも、究(きわ)め尽くす、究尽してゆくと、必ずそこに絶対的、必然的なものがある。そこでこれを『天命』という。自然科学はこの天という『命』、必然的絶対なるものを、物の立場から研究、究尽していったものである。そして、科学的法則をいろいろ把握した。これはいわゆる『命を立つ』である。哲学は哲学、宗教は宗教、それぞれの立場から天命を追究して、これが天命であるというものをいろいろ立てていく。これが『立命』である。人間も研究すればだんだん必然的、絶対的なものに到達する。いわゆる『人命』というものを究明することができる。『命を知り』、『命を立てる』ことができる」

  • 安岡氏は、「命」=「天命」も後天的修養によって変えていけるものと捉え、その意味で「天命」を「運命」とも呼ぶと説明します。
  • したがって「決して浅薄な宿命観などに支配されて、自分から限るべきものではない。」と説きます。