易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「守成は難し」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「水火既済」の「上爻変」でした。
  • 「既済」(きさい)は、「完成美」であり物事が一段落して一定の完結を見るときです。しかし、現状の水準を維持するにも努力が必要です。
  • 易経の哲学からすると、物事に完結はありませんから、その次に来る卦が「火水未済」となっているわけです。
  • 「上爻変」ですから、ここは行き過ぎや不行き届きに気をつけないと下降線に入るので、ちょっと危ないところ。この卦象や卦爻辞から導かれる本日のテーマは、「守成は難し」です。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 地域講座:「なわて学」は、身近な地域を学ぶ場を提供するとともに、学びの蓄積とその体系化をめざしています。
  • そのために、これまでの講座記録や関係資料を小冊子のまとめて、順次発刊しています。
  • これまでの冊子の発刊状況は、以下のとおりです。

No

収録の内容

発刊年月

備考

第1号

・地域学としての「なわて学」(2016.6藤岡巧一)

郷土史かるたを語る(2016.7金堀則夫)

四條畷の誇り(2016.8野島 稔)

2018年1月

 

第2号

・市史第5巻発刊の意義(2016.9佐野喜美)

・大阪の都市魅力(2016.10橋爪紳也

四條畷の市名の由来(2016.11鼎・河井・石田・野島・扇谷)

2018年4月

 

第3号

・絵本とオブジェでプロデュースする四條畷(2016.12谷口智則)

・我が国の精神文化(2017.1寺井種伯)

・飯盛城跡の価値と魅力飯盛城跡の価値と魅力(2017.2中井 均)

・郷土、四條畷の誇り 楠正行(2017.3扇谷 昭)

2018年10月

 

第4号

・淡路島で大発見 松帆銅鐸(2017.5野島 稔)

・中小企業に学ぶ四條畷の元気産業づくり(2017.6竹原信夫)

・日本人の心の礎 大楠公(2017.7垣田宗彦)

2019年4月

 

第5号

・なわての自然に学ぶ(2017.9久保勝範)

・なわての自然~四條畷の山の草木や湿生植物、野鳥などの生き物の魅力~(2019.11久保勝範)

2020年3月

同カラー版7月

 

第6号

地震考古学から考える21世紀の大地震(2017.8寒川 旭)

四條畷のまちづくりレポート(2018.1府立四條畷高校・3グループ)

2020年3月

 

第7号

(「飯盛城跡と三好長慶シリーズ)制作中)

 

 

 

 

〇「観る力を養う」

  • 今日のテーマ「守成は難し」から、中国の古典『貞観政要』の君道篇に出てくる言葉が頭に浮かびました。
  • 貞観政要』は、唐の名君といわれた太宗とその臣下のやり取りを中心にまとめられた書物ですが、鎌倉時代以降における武家政権のトップ層(源頼朝・北條政子、徳川家康など)が好んで学び、その考え方や行動に大きな影響を与えていると考えます。
  • 原文は「貞観十年 太宗 謂侍臣曰 帝王之業 草創與守成孰難」となっていて、読み下すと「貞観十年、太宗、侍臣に謂いて曰く、帝王の業、草創と守成と孰(いず)れか難き、と。」になります。
  • 「草創」は会社を創業したり新しい国家を建設することであり、「守成」は会社を維持したり国家を守り続けることです。
  • 太宗は、当時すでに唐の国家体制ができていたので、これからは「守成」が重要であり、それも困難なことなんですよ、と臣下に語り聞かせます。
  • 私も過去の経験から「守成」の難しさを実感しています。新しいクリエイティブな事業や組織づくりに集中しているときは、少々の困難があっても勢いで乗り越えられることが多いのです。
  • すでに出来上がった制度や事業を後退・劣化・風化させることなく運用するにも、常日頃からの地味な改善努力と人心の掌握が不可欠です。