易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「地水火風空」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「巽為風」の「上爻変」でした。
  • 「巽」(そん)は、ちょうど1週間前に出た卦と同じです。世の中の流れや風向きを謙虚に受け止めますが、今日は「上爻変」ですから、自尊心を喪失したような、よろしくない状態です。
  • こんな時は、将来の構想どころか目標すら描けませんので、原点に立ち返って自分自身を見つめ直す必要がありますね。
  • 本日のテーマは、「地水火風空」

 

〇「地域を楽しむ」

  • 「地水火風空」から、五輪塔をイメージしています。
  • かつての清滝街道・旧国道163号で清滝峠の辺り・逢坂(おおさか)地区を往くと、府民の森・緑の文化園方面に向かう南方面への市道を少し上ったところに、高さ180㎝の立派な「五輪塔」があり、傍らに郷土史カルタの句とその説明が書かれた立て札も立っています。
  • この五輪塔の地輪には、南朝方の年号で「大坂一結衆 延元元丙子年三月 日造立之」と刻まれていることから、南北朝時代の1336年、大楠公楠木正成湊川の合戦に臨む年の春に、地元の有志によって建立されたことが分かります。
  • 当時の清滝街道を行き交う多くの人々は、清滝峠・逢坂の茶店で心身を休めながら、この「五輪塔」に出会い、そして手を合わせていったことでしょう。

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    逢阪の五輪塔

 

〇「観る力を養う」

  • 今日のテーマ「地水火風空」は、仏教が宇宙の構成要素として説く「五大」であり、その発祥の地・インドをはじめ中国などに「五大」を造形した卒塔婆(ソトーバ)と呼ばれる(仏舎利を収めるための)仏塔が建てられています。
  • ただ「地水火風空」の五大を下から、方形の地輪、円・球形の水輪、角形の火輪、半円・半球形の風輪、そして宝珠形の空輪という造形で供養塔を各地に立てているのは、わが国だけのようです。
  • 仏教典によると各々に色があって、地輪は黄色、水輪は白、火輪は赤、風輪は黒、そして空輪は一切を包含する種々色(無色)とされています。
  • ここで話が転じてしまいますが、宮本武蔵の「五輪書」は、序文から始まって「地の巻」から「空の巻」で構成されています。武蔵は「五大」の仏教思想にも通じていたんですね。
  • 因みに「風の巻」には、他流を知ってこそ自分の流儀が分かるものであること、あるいは刀の長さにとらわれずに自然体で構えること、などを説いています。