易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「言葉の力」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「山雷頤」の「五爻変」でした。
  • 「頤」(い)は、いかに養うか。依存から自立へ、言動と飲食を慎みます。 
  • 「五爻変」ですから、指導的立場にありながら誰かの力に頼っています。誠実さを欠かさないことが大切ですね。
  • 本日のテーマは、「言葉の力」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 当地域・四條畷ゆかりの小楠公・楠正行は、1347年(正平2年)四條畷の戦いの前に、吉野で後村上天皇に拝謁し、そのあと如意輪寺で、次のように辞世の句を詠みました。鏃(やじり)の先で、如意輪堂観音扉に記されたものが、今も保存されています。

「かゑらじと かねておもえば梓弓 なき数に入る 名をぞとゞむる」 

  • 幕末の志士・吉田松陰は、1859年(安政6年)外国船密航の罪で江戸送りとなり、「安政の大獄」で処刑されますが、その江戸に向かう道中、郷土・萩に別れを告げる思いを、松の木の下で詠んだのが次の一句です。この句の出だしに、正行の辞世の句と自らの思いを重ね合わせていることが分かります。

「帰らじと 思いさだめし旅なれば ひとしほ濡るる 涙松かな」

  • また、松平春嶽(まつだいらしゅんがく、慶永)は、1838年天保9年)当時福井藩主であった松平斉善が急逝したため、養子となって11歳で藩主を継いでいます。
  • 江戸末期から明治の激動期に、幕府と維新政府の重職に就き、1890年(明治23年)まで生きました。次のような辞世の句を残しています。

「なき数に よしや入るとも 天翔り(あまかけり) 御代をまもらむ すめ(皇)国のため」

  • この句もその前段は、正行の辞世の句から借りています。
  • 春嶽は、桜井の駅で父・正成から遺訓を授かったときの正行と同じ年代で藩主を継いで以来、63歳までの生涯を通じて、正行の生き方に強く共鳴していたことが、この句から推測されるのです。

 

〇「観る力を養う」

  • 万葉集』に編纂された柿本人麻呂の歌に、古代から日本人の精神に刻まれている「言霊信仰」が観られます。

「しきしまの大和の国は 言霊の幸(さき)はう国ぞ ま幸(さき)くありこそ」

  • 「言霊の幸はふ国」は、「言葉の力で幸せをもたらされる国」を意味しています。
  • 心の底から湧き出る決意の込められた言葉には、時代を超えて人々に伝わる力があるようです。
  • さりげない日常会話の中に発信される「うれしい」や「すばらしい」、あるいは「ありがとう」等々の言葉には、幸運を引き寄せる力があるともいわれますね。