易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「加上(かじょう)」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「天火同人」の「上爻変」でした。
  • 「同人」(どうじん)は、大目標に向かって、志を同じくする人材を求めるときです。 
  • 「上爻変」は、孤立無援で苦しい状況。同志との出会いを念願するのみです。
  • 本日のテーマは、「加上(かじょう)」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 江戸期の大坂における学問の拠点・懐徳堂に学んだ逸材に、町人学者で思想家の富永仲基(とみながなかもと)がいます。
  • 「加上」は、その著書『出定後語』(しゅつじょうごご)に主張される考え方で、宗教・思想・学説は「単に過去から蓄積された文物の範囲内で解釈・説明するだけでなく、その時代の知見や新たな説を加えて発展させなければ価値がない」ことを説くものです。
  • 富永仲基は、「加上」する学問の立場から仏教・儒教神道を読み取った上で、実証的で合理的な視点から「誠の道」という、いわば当たり前の実践道徳論を『翁の文』に著しました。
  • 富永は、この著作を書き上げた1738年(元文3年)、31歳で早世しています。

 

〇「観る力を養う」

  • 本日のテーマ「加上」から、山本七平氏の著書『危機の日本人』(2006年角川書店刊)に、富永仲基について論じられていた部分を思い出しました。
  •  山本氏は、富永の主張も引用しながら、「過去の教義」や「お上の御威光」、あるいは「お金の力」などに支配される日本社会と日本人に対し、その時代にふさわしいサイエンスやアートを「加上」して、「天地自然の理」に合致した「誠の道」を実践する日本社会・日本人をめざすべきことを示唆しています。
  • 『危機の日本人』の第4章には、わが国の未来に向けた11項目の「課題と提案」が、以下(略記)のとおり記されています。

①一貫して借金国だった日本 ②諸外国からの「強制」から生まれた「体質」 ③成功しすぎた異端 ④一貫性のないアメリカの主張 ⑤論争しない日本 ⑥不要になった日本海軍 ⑦「昭和の大失策」の遠因 ⑧自制の必要 ⑨無駄(に見える研究など)への投資 ⓾後進国への援助 ⑪「マルクス主義は幻術なり、自由主義は文辞なり」