易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「武士道精神の源と範」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「山風蠱」の「上爻変」でした。
  • 「蠱」(こ)は、空気が澱んでいる状況にあり、課題を克服して刷新する姿勢が必要です。 
  • 「上爻変」ですから、高い志を持って範を示します。
  • 本日のテーマは、「武士道精神の源と範」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 当地・四條畷ゆかりの楠木一族、とりわけ楠木正成・正行父子は、自らの地位や一族の人的物的資源をすべて南朝に捧げ、泰平でより自由な社会経済体制の実現を志しました。
  • 後世に伝えられるこの「楠公精神」は、まさに「武士道精神」の源流を成すものといえるでしょう。
  • そして「武士道精神」は、戦のない泰平な江戸時代に至って、武家社会の思想・行動原理として熟成されていきます。
  • この「武士道精神」の範とすべき人物を挙げるとすれば、やはり江戸城無血開城に道を拓く重責を果たした「山岡鉄舟」ではないかと思います。

 

〇「観る力を養う」

  • さて、多くの人々が剣・禅・書、文武両道の達人と評する「山岡鉄舟」は、幕末の幕臣として、また明治維新後は、今の静岡県など地方政府の責任者や明治天皇の侍従として、52年の全生涯を捧げ、激変するわが国の政権を支えました。
  • 以下は、山岡鉄舟が「武士道」を定義した文章です。(山岡鉄舟『武士道』)

神道にあらず、儒道にあらず、仏道にあらず、神・儒・仏三道融和の道念にして、中古以降専ら武門に於いてその著しきをを見る。これを武士道という。」「心を元として形に発動するもの」

  • 鉄舟は、15歳の正月に自らが生涯守るべき戒訓「修身二十則」を定め、これを実行したといわれます。
  • その二十則は「嘘を言ふべからず」に始まり、「食する度に農業の艱難を思え。草木土石を粗末にせず」「名利のために学問技芸すべからず」などが掲げられています。(磯田道史『江戸の備忘録』他)

「決断力を補う」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「沢天夬」の「三爻変」でした。
  • 「夬」(かい)は、決断・決行すべきとき。過去への執着と決別します。 
  • 「三爻変」ですから、自分を過信して道を誤らないよう心掛けます。
  • 本日のテーマは、「決断力を補う」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 「 緊急事態宣言」から「まん延防止等重点措置」に移行後、10日間を経過した昨日(6/30)、大阪府がコロナ対策の出口に向かう「ロードマップ」の素案を発表しました。

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    2021年7月1日付け毎日新聞から抜粋
  • これは、飲食店などの事業者をはじめ府民に求める行動制限の緩和を決断する場合のものさしを提示するためのタタキ台です。
  • 感染症対策では、ワクチン接種の普及率や確保すべき病床数などのように、頑張ればある程度制御できる変数とデルタ株による感染率や重症化率のように、行動制限だけでは制御できない変数とを考えあわせる必要があります。
  • したがって、コロナ対策の出口に到達する条件を示すには、これらの変数に一定の法則性を見出す専門的な知見と政策責任者の適切な『決断力』(=英断)が不可欠です。

 

〇「観る力を養う」

  • さて、「決断力」ですが、人間は全知全能の神ではありませんので、重大な事柄を決断する際には、どんな人でも迷いや不安など決断を躊躇することが多々あります。
  • この「決断力」を適切に発揮するには、少なくとも以下の3つの条件が求められます。
  • まず1つは、その考え方や行動方針について、自分自身の明確な意志(信念)と責任を取る覚悟があることです。
  • 2つ目として、その決断に至る過程において、専門家の助言を含めた衆知が結集されていること。
  • そして3つ目は、その決断をもとに行動するタイミングが適切であることです。
  • これら3つの条件が揃っていても世間の強い逆風などがあり、どうしても決断できないときは、素直な気持ちで『易経』に問いかけるのも、「決断力を補う」一つの方法かもしれません。

「アイメッセージ」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「雷天大壮」の「二爻変」でした。
  • 「大壮」(たいそう)は、大騒ぎした割には成果がでないとき。状況を冷静に見極めます。 
  • 「二爻変」ですから、初志を堅持して進みます。
  • 本日のテーマは、「アイメッセージ」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • ここ大阪も遅れ気味とはいえ、ワクチン接種のスピードが加速されつつあります。

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  • コロナ禍収束への出口がまだ見えない中、東京オリンピックの開幕まで「あと23日」になりました。
  • 先日の宮内庁・西村長官の「天皇のご懸念ご心配」発言は、様々な議論や波紋を呼び起こしていますが、あくまでも長官の「拝察」である限り、これも「アイメッセージ」の一種と解釈されるのでしょうか。

 

〇「観る力を養う」

  • さて、「アイ・メッセージ」とは、伝える言葉の最初に「私」が主語になるように伝えること。自分が思っていることや感情を、自然な形で相手や第三者に伝えることになります。
  • これは1962年(昭和37年)、アメリカの臨床心理学者ト-マス・ゴードン博士が、親のためのリーダーシップ訓練講座『親業』(PET:Parent Effectiveness Training)を提唱する中で、広く知られることとなりました。
  • ゴードン博士は、1990年までに数千人の親業インストラクターを育成し、全米と25の国々で100万人以上の親に『親業』を教え、日本でも1980年から2005年までの間に、11万人が『親業訓練講座』を受講したといわれます。
  • その後、『親業』をベースにして「教師学訓練講座」「リーダーシップ訓練講座」「自己実現のための人間関係講座」なども提唱され、上司と部下、教師と生徒、夫婦、恋人同士、友人関係、など様々な人間関係の対立を解くコミュニケーション手法として、対人関係全般に応用されています。
  • 『親業』は、次の3つの技術が柱になっているといわれます。
    1.聞く技術
    相手が心を開いて、本当の気持ちを自分に話すように接する。また、相手が何か問題を持って悩んでいるときに、相手が自分で解決できるように手助けする技術
    2.話す技術
    相手に自分の気持ちを素直に伝える技術。話す技術として「アイメッセージ」の手法が有効
    3.対立を解く技術
    自分の欲求と相手の欲求が対立しているときに、両者が納得のいくように対立を解消する技術。双方がウィンウィンになる「勝負なし法」という手法が有効
  • アイ・メッセージは、アドラー心理学と親しい関係にあります。
  • アドラー心理学では、全ての対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと、あるいは自分の課題に土足で踏み込まれることによって引き起こされる:「課題の分離」と説明されますから、自分の思いや感情を伝えるのみで、その判断や行動を相手に委ねる「アイ・メッセージ」は、「課題の分離」を解消するコミュニケーション手法といえます。

「志とは」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「天火同人」の「初爻変」でした。
  • 「同人」(どうじん)は、志を同じくする友とともに進みます。 
  • 「初爻変」ですから、初志を大事にして広く同志を求めます。
  • 本日のテーマは、「志とは」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 当地・四條畷ゆかりの東洋哲学者・安岡正篤氏の逸話を集めた「致知出版社」のウェブサイトに、伊與田覺氏(かつての「成人教学研修所・学監)の述懐が、以下のような掲載されています。

「先生は国家社会のために働きましたが、それに対する償いというか対価は一切要求しなかった。」
「政界にも大きな影響力を与え、あるいは歴代総理からも尊敬されたというけれども、彼らから先生は何も経済的な恩恵を特に受けていません。」
「家族の人たちも、有名人や高位高官の家族といった感じはまるでないし、またそういう贅沢な生活はしていなかったですね。戦争で家は灰燼に帰し、その後、新たに建て直しましたけれど、それは粗末なものでした。応接間すらなかった。ちょっと広い廊下があるくらいで、来客とはそこに椅子を置いて話をされていました。私生活において、先生はまことに質素でした。」
「だけれども、どこに行っても大事にされましたね。あれが徳というものでしょう。」

(伊與田覺著『安岡正篤先生からの手紙』)

 

〇「観る力を養う」

  • さて、「志とは」、作家であり㈱サンレー代表取締役社長の一条真也(いちじょう しんや)/本名:佐久間庸和(さくま つねかず)氏は、「志」について、概略、次のように述べています。

もっとも大切なものは「志」である。…人間が幸福になれる道とは何でしょうか。…もっとも大切なものは「志」であると思います。「志」とは心がめざす方向、つまり心のベクトルです。

「志」に生きる者を志士と呼びます。幕末の志士たちはみな、「青雲の志」を抱いていました。かの吉田松陰は、「人生においてもっとも基本となる大切なものは、志を立てることだ」と日頃から門下生たちに説いていました。そして、…こう説きました。

「志というものは、国家国民のことを憂いて、一点の私心もないものである。その志に誤りがないことを自ら確信すれば、天地、祖先に対して少しもおそれることはない。天下後世に対しても恥じるところはない」「志士とは、高い理想を持ち、いかなる場面に出遭おうとも、その節操を変えない人物をいう。節操を守る人物は、困窮に陥ることはもとより覚悟の前で、いつ死んでもよいとの覚悟もできているものである」

最近の経営書を読むと、「志」の重要性について言及しているものが多く…さまざまな示唆があり…間違いではありませんが、いずれも「志」の核心はついていない…また、「夢」と「志」を混同しているものが多いのが気になります。

「志」というのは何よりも「無私」であってこそ、その呼び名に値すると思っています。松陰の言葉に「志なき者は、虫(無志)である」というのがありますが、これをもじれば、「志ある者は、無私である」といえるでしょう。簡単にいえば、「自分が幸せになりたい」というのは夢であり、「世の多くの人々を幸せにしたい」というのが志です。夢は私、志は公に通じている…、この違いが重要なのです。

「学校の安全安心」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「山水蒙」の「上爻変」でした。
  • 「蒙」(もう)は、学び続けることの大切さを説きます。 
  • 「上爻変」ですから、外部から守りつつ、教え導くことが大切です。
  • 本日のテーマは、「学校の安全安心」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 当地・四條畷市にある6校の市立小学校には、2001年(平成13年)に起こった大阪教育大学附属池田小学校での事件をきっかけに、市の学校安全協議会を構成するボランティアの学校受付員さんが、子どもたちの安全を守るために登校時刻から下校時刻まで正門に常駐し、来校者のチェックをしています。
  • 市の学校安全協議会では、折に触れて四條畷警察署の防犯スタッフを講師に招き、防犯教室や防犯訓練を実施して、「防犯に強いまちづくり・学校づくり」に向けて、不審者に出会った時の対応手段や心得をケーススタディしています。
  • 学校の安全を守るためには、普段からのあいさつや声かけと不審者を見かけたときの素早い対応が有効であることは、これまでの事例や経験値から実証されています。
  • どの受付員さんも、防犯という視点だけでなく、親しみ・愛情を込めて子どもたちへの声かけやあいさつを行ってくださるので、学校現場の日常風景には欠かせない存在になっています。

〇「観る力を養う」

  • さて、「学校の安全安心」ですが、大阪府では2002年(平成14年)に、全国に先駆けて「大阪府安全なまちづくり条例」が制定され、警察、行政、事業者、府民の協働による安全なまちづくりに向けた取組みが進められました。

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  • その後、通学路を含めた子どもにとって安全安心な環境づくりに必要な対策、例えば「街路灯」や「防犯カメラ」の設置、巡回パトロールなど、人的物的な環境整備が大きく前進したわけです。

「そうせい侯」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「地天泰」の「五爻変」でした。
  • 「泰」(たい)は、泰平の道を行くときの心構えを説きます。 
  • 「五爻変」ですから、有能なチームメンバーに感謝します。
  • 本日のテーマは、「そうせい侯」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 東大阪市出身の有名な歴史小説家・司馬遼太郎氏の長編作品に、NHK大河ドラマ花神』(1977年度)の原作にもなった『世に棲む日日』があります。
  • この作品は、江戸幕末の長州藩を中心に志士の活躍が描かれていますが、ドラマには高橋英樹が演じる第13代藩主・毛利敬親(もうり たかちか)も登場します。
  • 毛利敬親は、幕末の混乱期にあって有能な家臣を育成・登用し、また若い才能を活かすことで窮乏する藩財政を豊かにしたと伝えられます。
  • 特に藩政改革では、家柄や年齢に関わりなく高杉晋作などの優秀な人材を輩出。11歳年下で下級武士の子息であった吉田松陰の才能を高く評価し、自ら松陰の門下となった話が残されています。
  • 藩政では、家臣の意見に異議を唱えることがなく、常に「うん、そうせい」と返答するので「そうせい侯」と呼ばれましたが、第一次長州征伐や廃藩置県などの重要な局面に際しては、必ず自ら決断したようです。

 

〇「観る力を養う」

  • さて、「そうせい侯」ですが、将来有望な人材を見抜き、その人材を信頼して任せ、そして負うべき責任は自らが負う、これは一つの理想的な組織リーダーのあり方でしょう。
  • 比較的地味な存在ですが、毛利敬親侯は、近代国家・日本への道を拓いた「明治維新」の陰の功労者といえるかもしれません。

「観光の原点」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「風地観」の「四爻変」でした。
  • 「観」(かん)は、物事の本質を観察し、冷静な判断を下します。
  • 「四爻変」ですから、他国の「光」:文物・政治・暮らし・風俗などをよく観察し、自国の繁栄に活かします。
  • 本日のテーマは、「観光の原点」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • 当地・四條畷が誇れる「地域の宝もの」は、「ひと・歴史・自然」という3つの視点から観ると、十指を越えるものが挙げられます。

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〇「観る力を養う」

  • さて、「観光の原点」については、2003年(平成15年)4月に当時の小泉内閣の下で設置された「観光立国懇談会」がまとめた「観光立国懇談会報告書」-住んでよし、訪れてよしの国づくり-の「I 観光立国の意義」の中で、以下のように述べられています。

2.観光の革新-文化の磁力を高めて-
(1)「国の光を観る」-観光の原点-
 「観光」の語源は、中国の古典『易経』の「国の光を観る」にあるといわれている。『易経』は、一国の治世者はくまなく領地を旅して、民の暮らしを観るべしと説いている。民の暮らしは政治の反映であり、善い政治が行われていたならば、民は活き活きと暮らすことができ、他国に対して威勢光輝を示すことができるというわけである。つまり、「国の光を観る」という行為は「国の光を示す」という国事行為につながっていたのである。
 観光立国の推進に当たっては、まずはこうした「観光の原点」に立ち返ること、つまり「観光」概念の革新が必要になる。観光の原点は、ただ単に名所や風景などの「光を見る」ことだけではなく、一つの地域に住む人々がその地に住むことに誇りをもつことができ、幸せを感じられることによって、その地域が「光を示す」ことにある。そのように考えると、観光は、国づくりや地域づくり、町づくりと密接にかかわることが明らかになる。

  • この提言に基づいて、2006年(平成18年)12月には「観光立国推進法」が制定され、翌2007年(平成19年)には「観光立国推進基本計画」を閣議決定、そして2008年(平成20年)10月には、 観光庁が設置されました。
  • 今はコロナ禍が収束するまでの間、インバウンドの観光客は期待できませんが、苦難続きの東京オリンピックをやり遂げ、「観光立国・日本」が復活する日がいずれ到来することでしょう。