〇「今日の易占から」
- 今日の易占は「沢山咸」の「初爻変」でした。
- 「咸」(かん)は、互いに思い(情)が通じる状態。自分の心を研ぎ澄ませて相手の思いを受け止めます。
- 「初爻変」ですから、心の深いところで通じるのはこれから、という段階ですね。
- 本日のテーマは「感応」とします。
〇「地域を楽しむ」
- 当地域・四條畷市ゆかりの人物、小楠公・楠正行とともに「四條畷の合戦」で最期を遂げた武将に和田賢秀(わだけんしゅう)がいます。
- 和田賢秀は、楠木正成とともに湊川の合戦で最期を遂げた弟・正季の息子であり、正行の従弟に当たります。敵陣に一人で潜入した勇猛な武将・賢秀は、正行に深く感応していたことでしょう。
- 賢秀は1348年(正平3年)1月、正行らが自刃した後、足利軍の陣に潜入していたところを討たれてしまうのですが、討死の際には敵将を睨みつけながらその首に噛みついて放さなかったと伝えられます。
- 賢秀の墓所には、正面に「和田源秀戦死墓」と刻まれていますが、地元ではこの賢秀のことを歯噛様(はがみさま)、転じて「歯神様」として祀っています。
〇「観る力を養う」
- 今日のテーマ「感応」について、少し論じます。
- 「感応」とは、元来、仏教用語として使われる言葉で、「人に対する仏の働きかけと、それを受け止める人の心であり、また同時に信心する心が神仏に通じること」とされます。
- そして、一般的には「外界からの刺激によって、心が深く感じ動くこと」を意味します。
- 地域によっては、車両などを自動的にセンサーで感知する「感応式信号機」なるものも設置されていますが、「感応」という言葉は、もっと奥深い意味合いがあるようです。
- 人間の心の働きを「知・情・意」の3つに分けて説明されることがあります。
- 儒教をはじめとする中国思想・哲学では、朱子学を成した朱熹が、「この事をしようとするのが〝意〟であり、この事をすることができるのが〝情〟である。」と語っています。(弟子との問答集『朱子語類』から)
- ここでいう〝情〟は、心の働きの中で行動に結びつくパワーを発揮する、「感応」という言葉に限りなく近い意味を持っているように思います。