易経で自分らしさを磨く

~『易経カード』を人生のシグナルに~

「上手に断る」

〇「今日の易占から」

  • 今日の易占は「天山遯」の「五爻変」でした。
  • 「遯」(とん)は、危険を察知して、その状態から逃れるときの心得を説きます。 
  • 「五爻変」ですから、自分の志を堅持してタイムリーに難を逃れます。
  • 本日のテーマは、「上手に断る」とします。

 

〇「地域を楽しむ」

  • かつて北摂能勢町に「大阪府立総合青少年野外活動センター」という施設がありました。
  • この施設は、1967年(昭和42年)に大阪府によって約20ha(甲子園球場5個分)の敷地に開設され、2011年(平成23年)3月末に閉所されるまでの約半世紀にわたり、大自然の中で専門的な知識と技術を持った指導者の下で学べる公的な施設として、各方面から愛用されていました。
  • 開設当初は、全国に先駆けた青少年育成施設として、国と自治体の施策を先導する役割も担い、その後、市町村を含め多くの自治体がこうした施設を開設していきました。
  • この施設を廃止するについては、府議会でも様々な議論がありましたが、主に、①先導的な役割を終え、他に利用できる施設が近隣にあったこと ②施設設備が老朽化して安全な使用に耐えなくなっていたこと ③新たな活用方策を見出す道が用意されていたこと、という3つの理由から原案通り可決され、その後地元の能勢町に敷地とともに引き継がれました。
  • さて、この敷地や建物は、その後どうなったのでしょうか。次の項目で観てみます。

 

 〇「観る力を養う」

  • 閉所後の大阪府立総合青少年野外活動センターについては、地元・能勢町が2015年(平成27年度)に、豊かな自然環境を活かしながら交流人口の増加や賑わいの創出など地域活性化に繋がる事業跡地活用の提案募集を行いました。
  • その結果、提案のあった以下の2事業が採用され、その後事業活動が展開されています。
  • 1つは、施設跡地のうち約8haを活用した「株式会社 冒険の森」によるアウトドアパーク「冒険の森inのせ」です。(2016年7月オープン)
  • 池の上空を滑空するジップライン(樹間距離536m、517m)をはじめ、多様なアクティビティが体験できる「ツリー トップ アドベンチャー」と、施設内をセグウェイで散策する「フォレスト セグウェイツアー」という2つのプログラムが提供され、以下のように利用を呼び掛けています。

『高い場所にロープを張って造られたアスレチック施設・ハイ ロープス コースは、これまでアメリカやヨーロッパの技術を用いて建設されてきました。…1次産業ではなく3次産業としての林業を提案、カタチにしました。』『木登りやアスレチックとは違う、これまでにない非日常的な森林冒険施設でさまざまな遊びに挑戦してみませんか。』

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「冒険の森inのせ」のホームページから
  • もう1つは、施設跡地のうち約12haを活用して「株式会社 ふるさと創生研究開発機構」 が運営するドローンの操縦体験や技能練習が行えるドローンフィールドで、以下のように紹介されています。

『各種産業や消防・防災などでの活用が期待されているドローンを体験されてはいかがでしょうか。』(㈱ふるさと創生研究開発機構のホームページから)

  • さて、本日のテーマ「上手に断る」から、公的施設の廃止とその後の財産の利活用に話題が飛んでしまいました。
  •  長い間多くの人々に利用され愛されてきた施設などを廃止するのは、身近な例を引くと大切な友達からの頼みごとを断るのと同様に、難しい決断にならざるを得ないときがあります。
  •  「上手に断る」ための原則は、やはり断る場合の「決断、その理由、関係者への心遣い」をきちんとしておくこと、といえるでしょう。
  • 私自身は「断ること」が苦手で、時として優柔不断を絵にかいたような状態に陥りがちな人間ですが、公的な資源は常に有効活用が求められるのと同様、「自分の一生」という時間とエネルギーの限られた資源を少しでも価値の高いものにするためには、「上手に断る」ことも大切だと思うのです。