〇「今日の易占から」
- 今日の易占は「沢地萃」の「三爻変」でした。
- 「萃」(すい)は、集まる。知恵と力を結集して、大きく踏み出します。
- 「三爻変」ですから、独断専行を避けながら、チームの方針をまとめていきます。
- 本日のテーマは、「一所懸命」とします。
〇「地域を楽しむ」
- 土木建設事業を一気呵成にやり遂げた事例として、かつて大坂城を築いた豊臣秀吉が、織田信長の家臣として活躍した頃の1566年(永禄9年)、藤吉郎(のちの秀吉)が一夜にして築いたと伝えられる「墨俣一夜城」の話は有名です。
- 1991年(平成3年)4月に、その城跡に城郭天守の体裁を整えた「大垣市墨俣一夜城(歴史資料館)」が開設されています。
- この事例以上に、もっとスケールの大きい事業として、江戸時代の1704年(元禄17年)に行われた「大和川の付け替え工事」があります。
- それまで北に向かって流れていた川筋を、260mの新たな川幅で西へ総延長14.5kmを付け替える工事であり、これを8か月足らずで完成させたことは、まさに驚くべきことです。
- その大事業は、地元関係者の長年にわたる働きかけが稔ったものであり、また幕府の普請奉行の指揮で、5つの工事区間を同時並行で集中的に進められた結果です。(『甚兵衛と大和川』:中甚兵衛10代目・中九兵衛著)
〇「観る力を養う」
- 本日のテーマ「一所懸命」の意味から、確認してみました。
- 「一所懸命」とは、「命がけで事にあたるさま。真剣に打ち込むさま。」を意味する四字熟語ですが、元々は、中世の頃に「武将が主君から賜った領地を命懸けで守り治める」心構え(姿勢)を表現した言葉、とされています。
- また「一生懸命」は、その後、慣用的に「一所懸命」から派生した同様の意味を持つ表現ですね。
- さて先述した「大和川の付け替え」ですが、工事そのものは超スピードで完遂しています。
- しかし『甚兵衛と大和川』(2004年刊)によれば、初代の中甚兵衛氏が江戸に滞在し、最初に徳川幕府へ嘆願した時期が、1657年(明暦19年)と記されていますから、当時の幕府から事業予算が認められるまでには、(その時点から数えても)実に46年の歳月が費やされたことが分かります。
- 「大和川の付け替え工事」は、今日の大阪都市圏の原型を形づくるとともに、立派な先人の「一所懸命」が、後世の人々に恩恵をもたらした偉業といえるでしょう。